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注目のコメント
デザイン担当しました。この北朝鮮問題における合意の流れをまんが形式にしたのは、事実だけ並べても正直私がよくわからなかったからです。
対北朝鮮政策に甘さがでてしまえば、そこをぶったぎられる。これらの歴史的経緯を見てみると条約や外交交渉で簡単に制御できない国なんだと改めて感じます。
流れをわかりやすくしてみましたので、ぜひ、お読みいただき、感想なんでも聞かせてもらえると嬉しいです!この漫画でもサラリと触れられていますが、結構大事な部分として「最初に約束を破ったのはアメリカだった」という点は、北朝鮮問題を考える上での原点だと思っています。
1994年の米朝核合意では、北朝鮮は米国の敵視政策の撤回を条件に、IEEAの査察を受け入れ、核開発の放棄を表明し、代わりに米国は経済制裁の解除と軽水炉の建設を約束しました。
しかしアメリカは議会での承認を得ることに失敗したことで合意を履行することができず、いつの間にか沙汰止みとなってしまったのです。
次のポイントが2002年の第2次核危機です。
この時アメリカはケリー特使を派遣し、北朝鮮の米朝合意違反を咎め(自らは履行していないのですが)、特別査察を要求しました。
この時北朝鮮はまだ核開発には成功しておらず、ミサイルの開発も行なっていませんでした。
つまり思うにここが米朝核合意を相互に履行する最期のチャンスだったのです。
しかしここで予想外の事態が発生します。
アメリカが大量破壊兵器の所有を理由にイラクへの侵攻を開始したのです。
当時アメリカはイラクとともに北朝鮮を悪の枢軸と呼び同一視ししていた為、これは北朝鮮に「次はお前だ」という誤ったメッセージを送ることになりました。
しかも実際にはイラクは大量破壊兵器を持っていなかったことから、逆にアメリカの侵攻を防ぐには本当に大量破壊兵器を持たなければいけないという更に誤ったメッセージに繋がり、同年北朝鮮は13年間凍結していたミサイル開発を再開するに至ったのです。
アメリカがいくら金体制の保証を引き換えに核の放棄を求めたとしても、決して北朝鮮が乗ってこないのは、この為です。
金正日は死にあたって、どんなことがあっても核ミサイル開発を完成させるようにと遺言したと言われています。
これ以降の北朝鮮の動きは、基本的に核ミサイル開発のための時間稼ぎだと考えたほうがいいと思います。
もちろんだからといって北朝鮮の核ミサイルの開発が許容されることではなく、特に日本にとっては重大な安全保障上絶対に許してはならないことである事は間違いありません。
しかし何故ここまで至ってしまったのかを考える上で、単なる交渉の詰めの甘さが問題だったと考えてはことの本質を見誤ることになりかねません。
北朝鮮問題の原点は、最初のボタンのかけ違いが根本的な問題だったということなのです。これまで北朝鮮問題をめぐっては、何度も合意が結ばれては崩壊してきました。一般に、合意崩壊の理由はすべて北朝鮮側にあると思われがちですが、実は合意内容を曖昧なものにする北朝鮮の巧みな交渉術に加えて、合意内容の履行(インプリメンテーション)をめぐってアメリカをはじめ国際社会が必ずしも完全に履行できなかった部分もあります。そして、それが北朝鮮に合意を破る口実を与えてきた側面があります。
外交上の合意をめぐる話は本来とっつきにくいテーマかもしれませんが、NewsPicks気鋭のデザイナー、砂田さんがマンガ風に分かりやすく仕上げてくれました。北朝鮮問題がここまでこじれた一因を知るためにも、ぜひご一読ください。
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