(Bloomberg) -- 中国企業の来年の新規株式公開(IPO)の目玉の1つは、アジア最大のインターネット会社である騰訊(テンセント)傘下の音楽事業だろう。

関係者が語ったところによると、音楽ストリーミングとダウンロードのサービスを提供するテンセント・ミュージックは、少なくとも10億ドル(約1130億円)規模の資金を調達、企業価値は100億ドルに上るとみられる。どの市場に上場するかはまだ決定されていない。

同サービスの3つのプラットフォームを合わせた有料サービス利用者数は、既にスポティファイの2倍になっている。

プライス・ウォーターハウス・クーパーズによる予想では、中国本土でのデジタルミュージック販売の向こう4年間の成長率は88%。テンセントにはそれを踏み台に事業を拡大する狙いがある。アップルミュージックは2015年にサービスを開始したが、中国で販売されるスマートフォンはアンドロイドOSが大部分を占めている。スポティファイは中国への事業拡大をまだ発表していない。

テンセント・ミュージックのバイスプレジデント、アンディー・ナン氏によると、同サービスは、7億人の月間アクティブユーザーに1700万余りの音楽を提供。これまでに約1億2000万人が、楽曲のストリーミングや購入のため同サービスに料金を支払った。スポティファイの有料ユーザー数は6000万人だ。テンセント・ミュージックは、「QQミュージック」「酷狗(クーグー)」「酷我(クーウォー)」の3つのプラットフォームで、地元のアーティストの楽曲や西欧のポップミュージックなどを中国で販売している。

原題:Tencent Fends Off Spotify, Apple in China’s Battle for the Bands(抜粋)

--取材協力: Sohee Kim

: 東京 出澤由利 yidesawa1@bloomberg.net.

翻訳記事に関するエディターへの問い合わせ先 大久保義人 yokubo1@bloomberg.net.

記事に関する記者への問い合わせ先: 香港 Lulu Yilun Chen ychen447@bloomberg.net.

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Robert Fenner rfenner@bloomberg.net, Michael Tighe

©2017 Bloomberg L.P.