【東大発】アフリカ未電化地帯、貸しランタンで明るく

2017/12/8
東アフリカのタンザニアと日本との間の行き来は簡単ではない。ドバイで乗り換えて、片道ほぼ1日がかりのフライトになる。
Digital Grid(デジタルグリッド)CEO、秋田智司氏は、この往復のロングフライトを月1度こなしている。月の前半はタンザニア、後半は日本という二元生活を繰り返し、タンザニアをベースにビジネスを展開する設立から4年の会社を切り盛りしている。
デジタルグリッドのサービスが対象にするのは、アフリカの未電化地域に住む貧しい生活者だ。電線が延びていない村にある商店と連携し、独立設置した太陽光パネルで発電した電気をランタンに充電し、1回20円ほどで貸し出す。「電気の量り売り」(秋田氏)と呼ぶ新しいBOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスを開拓している。
真っ暗だったアフリカの夜。ランタンの明かりがともれば、子どもは勉強ができるようになる。商店の営業時間も長くなり、人々の活動時間は長くなる。経済活動の時間が大幅に延長されることで、村の発展にもつながる。
東京大学が支援し、育成する新興企業を紹介する「豊作!東大発ベンチャー」の第2部。1回目は、アフリカの田舎の村で、これまでなかったビジネスモデルで拠点を拡大する異色企業の姿を取り上げる。