【教訓】82歳アプリ開発者、「老害」にならずに学び続ける秘訣
2017/12/2
あのアップルのCEOティム・クックが「会いたい」とアクセスし、実際、本国アメリカに招いた女性アプリ開発者がいる。若宮正子──。御年82歳。
60歳でパソコンを始め、プログラミング言語を学んだのは80歳過ぎ。81歳の時にローンチしたシニア向けゲームアプリ「hinadan」は、シニアでも楽しめるアプリとして人気を博す。その「学び意欲」の高さから「人生100年時代構想会議」の委員にも選出された若宮氏を「学び」に駆り立てる情熱とは?
60歳でパソコンを始め、プログラミング言語を学んだのは80歳過ぎ。81歳の時にローンチしたシニア向けゲームアプリ「hinadan」は、シニアでも楽しめるアプリとして人気を博す。その「学び意欲」の高さから「人生100年時代構想会議」の委員にも選出された若宮氏を「学び」に駆り立てる情熱とは?
実はね。
「CEOが会いたがっています」と言われたけれど、相手も忙しいだろうから、「Nice to meet you」と挨拶して、それきりだと思っていたの。
ところが、実際に会ってみたら「あなたの作ったアプリを見ながら、お話ししましょう」って言うの。だから、「スマホはシニアには使い勝手が悪くて苦労しているんですよ」って訴えてみたんです。
だって、目の前にいるおじさんは、iPhoneやそのアルゴリズムを実際に作ってるんだから。しかも、会社で一番偉い人。「ここで言わないで誰に言うんだ」って。
そのおじさんこそ、アップルCEOのティム・クックさん。
そんな文句もうんうんと頷いてくれるから、こちらも思わず興奮してしまい、「私たち年寄りは、耳も目も少しずつ、悪くなるのよ。指も思うように動かないんだから」なんてタメ口を聞いてしまいました(笑)。
そうしたら、「自分自身、目があんまり良くないから、あなたの言っていることはすごくよくわかる」って。その上、「私たちはあなたの存在に、勇気づけられました」って言ってくれたの。
学びで世界に羽ばたく「翼」を得た
自分が変わらなくても、時代が変わることがあるんですよね。私なんか、昔からちっとも変わっていない。おしゃべりで、活動的で。
今までは“変なばあさん”だったのが、ティム・クックさんに会って、急に世界中からもてはやされてしまいました。「一体どうなっているの」という感じです。
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この連載について
日本のサラリーマンは先進国イチ学んでいないーー。OECDの調査によると、25歳以上が短期高等教育機関に入学する割合がOECD諸国で最低となった。また、首都圏管理職の就業意識調査によると将来の「目標がある」と答えた人は39%しかいない。これといった目標もなく、そして学びもせずに、この変化の激しい時代、会社の寿命が短期化する時代、そして人生100年時代に対応できるのか? 本特集では、今こそ大人が挑戦すべき学びについて、考える。
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