海外ではなぜ「飛び級」で進学できるのか?

2017/11/21
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
21日は、樋口 亜希(ひぐち・あき)さんが出演。
樋口さんは幼少期と大学を中国、アメリカ、日本で過ごし、現在はSelan(セラン)代表として、英会話レッスンをしてくれる家庭教師兼ベビーシッターを派遣する「お迎えシスター」を展開しています。今回は「飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義」(ニューズウィーク日本版)を題材に、飛び級・留年制度の是非をお話いただきました。
POINT 1:
実は日本特有? 大学入学の年齢制限
日本ではなじみのない飛び級制度や留年制度。しかしながら、他の先進国では一般的に導入されているところもある。また、日本の大学では「高校に一定年数在籍したこと」に重きを置かれるため、10代前半での大学進学は難しい。
「日本の学校制度は、海外と比較して何が違うのでしょうか?」(サッシャさん)
「幼少期と大学時代に、私は中国・アメリカ・日本の三ヶ国で過ごしました。日本とは異なり、中国とアメリカの学校制度では、大学受験に年齢制限がありません。実際、中国の大学に進学したら、クラスメイトの中には14歳、15歳の学生もいました。
日本では、大学の受験資格を『18歳以上』と年齢による制限を設けています。年齢よりも子どもの学習能力に合わせて進学スピードを変えられたら、意欲のある子どもの可能性を広げられるのではないでしょうか」(樋口さん)
POINT 2:
社会性を養う場は、学校だけではない
「飛び級制度に関して懸念点にあげられることが多いのは、『生徒の社会性の成熟』についてです。
『新しい学年で友達ができるのか?』『まわりとの会話に困らないか?』と不安に思われる親御さんもいるかもしれません。ただ、飛び級が身近な中国やアメリカで暮らしてみて、2〜3歳差はそこまでの違いではないように感じました」(樋口さん)
「日本の学校には、勉強だけではなく、しつけや社会性を身につける場としても期待されているように感じます」(サッシャさん)
子どもたちは学校で、勉強のように点数を付けられる“認知スキル”と、協調性や忍耐力など採点が難しい“非認知スキル”を身につけます。日本では“非認知スキル”も学校の先生にお任せする傾向にありますが、この分野は家庭での教育も重要です。教育の場を学校だけに制限しない考え方が広がれば、飛び級制度は受け入れられやすくなりそうです」(樋口さん)
POINT 3:
大事なのは、自分のペースで人生を歩めること 
「私は日本とドイツで教育を受けた経験から、飛び級だけでなく、留年制度も必要だと考えています」(サッシャ)
「飛び級も留年も、自分自身の能力を自覚し、自分のペースで人生を歩める世の中にするために有用です。
学生時代を過ごした中国の大学では、飛び級した生徒が、勉強の合間に『大学の授業の予約管理ができるソフトウェア』を開発しました。そのソフトウェアはのちに大学側に買収され、正式に採用されました。
多様な学生が、自分に合ったペースで力を伸ばせるようになれば、多彩な能力を持つ人材を育むことができるようになるのではないでしょうか」(樋口さん)
今回のニュースをはじめとした中村さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
22日は、コーポレイトディレクション の是枝 邦洋さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください