[17日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。週間ベースでは約0.7%低下し、2週連続でマイナスとなった。南アフリカの医療機関運営メディクリニック・インターナショナル<MDCM.L>は4.0%下落。メディクリニックは英国第2位の病院グループ、スパイア・ヘルスケア<SPI.L>の買収が期待されていたが、合意に至っていないと前日に発表して以来、株安が続いている

水道事業のユナイテッド・ユーティリティーズ<UU.L>は4.4%下落し、FT100種で最も大幅に落ち込んだ。HSBCが投資判断を引き下げたことが嫌気された。HSBCのアナリストらは、物価上昇によってユナイテッド・ユーティリティーズの利益が落ち込むとの見方を示した。

小型株では建設・サポートサービス会社のカリリオン<CLLN.L>が48.2%急落。3度目の利益見通しの引き下げを受け、年末に借入契約条項に違反する見込みが出てきた。

一方、英放送局スカイ<SKYB.L>は4.1%上昇した。米ケーブルテレビ大手コムキャスト<CMCSA.O>と米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>がスカイの一部事業買収を提案したことが好感された。メディア王ルパート・マードック氏率いる米娯楽・メディア大手21世紀フォックス<FOXA.O>はスカイ株を39%を保有しているが、これが買収対象の一部となっている。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。業績見通しや投資判断の引き下げが売り材料となった。欧州の経済指標は底堅さを保っているものの、今期は企業利益の伸びが前期と比べて勢いがなくなっていることから投資家らは利益を確定している。また、株式相場の上昇が続くかどうかについて懐疑的な見方が出ている。

欧州3番目の規模のケータリングサービス会社、フランスのエリオール<ELIOR.PA>は18.2%急落。利益見通しを引き下げたことが売り材料となった。

証券会社による投資判断の引き下げが嫌気された食品配達の英ジャスト・イート<JE.L>とスウェーデンのアパレル小売り大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)<HMb.ST>、パブ運営・醸造会社の英グリーンキング<GNK.L>、英水道事業のユナイテッド・ユーティリティーズ<UU.L>、ドイツの医薬品大手フレゼニウス<FREG.DE>は2.6%から5.4%下落した。

一方、フランスのメディア大手ビベンディ<VIV.PA>は4.4%上昇。第3・四半期決算は市場予想を下回ったが、2017年の収益と利払い・税・無形固定資産償却前利益(EBITA)の成長目標を据え置いた。また、向こう6カ月間にビデオゲーム開発・販売ユービーアイソフト<UBIP.PA>へ敵対的買収を仕掛ける意向はないとした。

UBSはビベンディの投資判断を「買い」に維持。業績見通しを踏まえると、ユニバーサル・ミュージック・グループ部門における売り上げの鈍化は第4・四半期に持ち直す可能性を示唆すると述べた。短期的には「カナル+」事業が全体の利益を押し上げる方向に働くだろうとの見方を示した。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> ドイツ10年債利回り<DE10YT=TWEB>が1ベーシスポイント(bp)低下して0.365%付近で推移した。

週間の下げ幅は6bp近くに達し、欧州中央銀行(ECB)が債券購入延長を決めた先月26日以来約3週間ぶりの大きさとなる見通しだ。

域内債券は先週末に売られたが、今週に入り買いが再開。リスク資産に売りが出たほか、原油安がインフレ期待の重しとなる中、安全資産とされるドイツ国債に追い風となった。

DZ銀行の金利ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は「先週売られた債券に一部投資家の買いが入り、今週は利回りが再び低下方向となった」と指摘する。

ドラギECB総裁はこの日、債券買い入れプログラム延長について、ユーロ圏は引き続き低コストの借り入れに依存しており、利上げはさらに先になるということを市場に認識させる鍵になると指摘した。

JPモルガン・アセットマネジメントの債券ポートフォリオマネジャー、シーマス・マクゴレイン氏は「ECBがタカ派色を強めるまで、利回りが上昇すると予想しにくいし、こうした動きはもうしばらくないだろう」と見通す。

ドイツ連立協議が週末も続く可能性が出てきたが、債券市場への影響はほとんどなかったもようだ。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]