[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比13.7%増の129万戸と、戸数ベースで2016年10月以来、1年ぶりの高水準となった。

米南部を襲ったハリケーンの影響が薄れ、洪水被害を受けた家を買い換える動きが出たためとみられる。市場予想は118万5000戸だった。

北東部や中西部が堅調な伸びを示したことも、全体を押し上げた。

9月の数字は当初発表の112万7000戸から113万5000戸へ上方改定された。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「業者が建設しており、景気見通しに自信を深めていることがうかがえる」と指摘した。

米国の住宅建設の半分近くを占める南部では、8月下旬と9月上旬にテキサス州とフロリダ州をハリケーン「ハービー」と「イルマ」が直撃した後、住宅着工件数が急減した。

10月は、南部の住宅着工件数が17.2%急増し、62万1000戸となった。うち一戸建て住宅は16.6%増加し、戸数ベースで07年以来の高水準をつけた。

ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は「ハリケーン上陸前と比べ、建設ペースが底堅さを取り戻した。このことは第4・四半期に回復に伴う増加がすでに始まった可能性を示している」と話した。

着工件数は前月まで3カ月連続で減っていた。今年は用地や熟練工の不足のほか、木材の値上がりが要因で住宅建設が伸び悩んでいる。

住宅建設投資は2四半期連続で減っている。これにより住宅の供給不足が悪化し、住宅販売を抑制している。

前日に発表された11月の住宅建設業者指数は05年7月以来2番目に高い水準だった。現在の販売状況や、購入に興味を持つ人の水準について前向きな見方が示された。ただ建設業者は引き続き、用地不足や建材の価格の高さを懸念材料として挙げた。

市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅は10月に5.3%増の87万7000戸と、8カ月ぶりの高水準となった。地域別でみると北東部では22.4%減、西部では7.7%減だった。一方、中西部では7.8%増加した。一戸建て住宅の着工件数は2月に9年半ぶりの高水準をつけて以来、勢いが減速している。

変動が大きい集合住宅は36.8%増の41万3000戸だった。

着工件数の先行指標となる建設許可の件数は5.9%増の129万7000戸と、1月以来の高水準だった。内訳は、一戸建て住宅が1.9%増、集合住宅が13.9%増だった。

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