【1分解説】なぜ「今」なのか。メガバンク「3万2000人削減」の衝撃

2017/11/15
ようやく、重い腰を上げた──。メガバンクによる本格的なコスト削減の動きについて、一言で表現すると、さしずめ、こんな言い方になるだろう。「銀行業は構造不況業種」と自他ともに認めるようになったのは、かなり以前からだからだ。
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、三菱東京UFJ銀行の店舗約480店舗のうち、最大2割に当たる、国内約90店舗の削減を検討。来年度から3年で進める見込みだ。またみずほフィナンシャルグループも500拠点のうち、100拠点を7年後の2024年度末までに削減する構造改革案を11月13日に発表した。
相次いでリストラ検討が表面化したメガバンク(写真:ロイター/アフロ)
店舗削減だけではない。MUFGは国内事務作業の自動化で、6年後の2023年度までに国内従業員の約3割に当たる9500人分の業務量を削減するという。三井住友フィナンシャルグループも、3年後の2020年度までに4000人分を減らす。
最大規模の人員削減に追い込まれそうなのがみずほFGで、2021年度までに8000人分、2026年度までに1万9000万人分の業務削減を目指す。これら3メガバンクグループを合わせると、実に3万2000人分の業務削減となる勘定だ。
構造不況業種が生き残りを賭けて断行する常套手段が、コスト削減である。つまり、銀行業もその以外にもれず、生き残りに向けて動き出したことになる。しかし、なぜ、経営者たちの決断は「今」だったのか。