[15日 ロイター] - <為替> ドイツの第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値が好調だったことなどを受け、ユーロが対ドルで2週間半ぶりの高値を付けた。

上昇率は4カ月超ぶりの大きさとなる勢いだ。

終盤の取引で、ユーロ/ドル<EUR=>は1.11%高の1.1794ドル。

ウェルズ・ファーゴ証券の通貨ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「ユーロを押し上げた主因は、朝方発表された堅調なドイツ指標だったようだ」と話す。

ドイツ連邦統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は前期比0.8%増と、エコノミスト予想(0.6%増)を上回った。

ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した11月の独ZEW現況指数は改善した。期待水準も引き続き「勇気付けられるほど前向き」だった。

ビロリア氏は、ユーロ高の一因に100日単純移動平均(1.1733ドル)という主要テクニカル水準を突破したことを挙げる。

XEの首席市場ストラテジスト、レノン・スイーティング氏は、欧州発のプラス材料にドルが最近敏感となっている状態が、ユーロ高に寄与したと指摘する。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.7%安の93.828。 10月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を上回ったが、ドル指数はほぼ変わらずだった。

ユーロは対英ポンドで0.74%高。10月の英消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.0%上昇と、市場予想を下回ったことを受け、追加利上げ観測が後退しポンドが弱含んだ。

<債券> 長短金利差が前日に続き縮小した。12月利上げ観測が高まるなか2年債利回りが9年ぶりの水準に上昇した一方で、長期債利回りが低下したことが背景。

2年債と10年債の利回り格差<US2US10=TWEB>は69ベーシスポイント(bp)に縮小、5年債と30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は77.20bpと、約2週間ぶりの水準に縮小した。

イールドカーブのフラット化は、連邦準備理事会(FRB)が利上げを実施する軌道に乗っていることで短期債利回りが押し上げられる一方、低インフレにより長期債利回りが抑制されていることを反映。ウエストパック(ニューヨーク)の外為戦略部門責任者、リチャード・フラヌロビッチ氏は「イールドカーブのフラット化は、主に低インフレ環境下での米利上げを反映している」としている。

<株式> 小反落で取引を終えた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)<GE.N>は2営業日続落。原油先物の下落につれてエネルギー株も売られた。

GEは5.9%安の17.90ドルで終了。一時は約6年ぶり安値となる17.46ドルを付けた。

GEのフラネリー最高経営責任者(CEO)は前日、大幅な事業縮小を目指し、航空機、電力、ヘルスケアの主要3事業に重点を置くと発表し、手持ち資金と収益の回復に努める方針を示したが、投資家の中には再建策が十分でないとみる向きもいる。

S&P主要11セクターの中では、原油先物の大幅安を受けてエネルギー株の下げが目立った。エネルギー株指数<.SPNY>は1.5%安と、ここ4カ月余りで最大の下げ。

国際エネルギー機関(IEA)はこの日、米国のシェールオイル生産が増加する一方、世界の石油需要はやや減少するとの見通しを示した。

米石油メジャーのエクソンモービル<XOM.N>は0.8%安、米コノコフィリップス<COP.N>は2.5%安。

<金先物> 安値拾いの買いなどが入り、続伸した。中心限月12月物の清算値は前日比4.00ドル(0.31%)高の1オンス=1282.90ドルとなった。

<米原油先物> 国際エネルギー機関(IEA)による需要予測の下方修正などを受けて売られ、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値は、前日比1.06ドル(1.87%)安の1バレル=55.70ドル。1月物は1.08ドル安の55.89ドルだった。

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