日銀 大規模な金融緩和策を維持 金融政策決定会合
コメント
注目のコメント
展レポ付き会合としては結果公表が非常に早く、静かなものに終わりました。反対票に関しては、前回提案したものが今回取り下げられるということは論理的に不可思議なわけですから、読めた話でした。敢えて言えば、何故20年ではなく15年だったのかは興味がありますが(そもそもこれを追加緩和と呼ぶかどうかも議論があるでしょう)、裏を返せば、その程度のことしか関心を呼ばないほど、日銀を取り巻く事態は落ち着いているということかと思います。
いずれにせよ、これで黒田さんの任期で残された展レポ付き会合はあと1回(2018年1月)です。現行体制で政策変更があるとすれば、その1回ということでもあり、感慨深いものがあります。為替に関して言えば、追加緩和提案を受けてやや円安となっていますが、現状のボードで追加緩和が通ることは考えられませんので、一過性の動きに止まりましょう。
冷静に考えればIMMの円ショートは3か月ぶりの高水準、日経平均は16連騰、FedはB/S縮小を宣言し、ECBもこれに追随・・・と10月はそれなりに為替が動きそうな材料が続きましたが、結局114円タッチが関の山でした。客観的に見ても、ドル/円相場の下方リスクは拡大しているように思えてなりません。唐鎌さんのご指摘のように、無風といった内容でしょうか。
それにしても、片岡審議委員の反対の内容には驚きました。
今回も前回同様、対案を出されたわけではなく、議長案に反対されたようです(詳しくは①)。
前回は「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているた め、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は、2019 年度頃に2%の物価上昇率を 達成するには不十分」との理由で反対されましたが、今回は「イールドカーブにおけるより長期の金利を引き下げる観点から、15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう、長期国債の買入れを行うことが適当」として、反対されています。
金利(イールドカーブ)を動かすのが対案でしたか・・・そして15年でしたか・・・。仮にこの政策が実現したら、15年国債という年限で新たに国債が発行されることはありませんので、買入をする日銀にとっても、市場で日銀と取引をする金融機関にとっても、非常に難しいものになっていたかもしれません・・・(債券村の方いかがでしょうか・・・)
対案を出すのではなく、反対票を投じるだけであるならば、前回の理由のままの方がすっきりしたかもしれません。
いずれにせよ、片岡委員の今後の講演や会見で、どのような政策ロジックに基づいているのか、興味津々です。
①
https://newspicks.com/news/2507941
みなさんNHKの記事の日米欧の違いの部分にコメントもされておりますが、これはほぼ予定稿のようで、あまり意味がありませんね(今回の決定に関係ないところで指摘しても意味がないという意味と、そもそも出口ありきの指摘自体にあまり意味がないように思います)。「大規模」の表現を連発してますが、何か意図的なものを感じます。マスメディア側からなかなかデフレから脱却できない状況に、むしろ「金融緩和が足りないのでは?」というツッコミを入れてもらいたいんですが、無理でしょうね。