引きこもる20代を誘い出せ! 若者市場の開拓が急務な理由

2017/10/30
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
30日は、加藤 史子(かとう・ふみこ)さんが出演。加藤さんはリクルートで「じゃらん」や「ホットペッパーグルメ」など、ネットの新規事業開発を担当後、若者の行動支援プラットフォーム「マジ☆部」を立ち上げ、2016年7月には訪日外国人向けアプリ・サービスを展開するWAmazing(わめいじんぐ)を創業されました。
加藤さんには、「20代の外出、70代下回る=スマホ普及、自宅で完結」(時事ドットコム)を題材に、なぜ若者たちが引きこもるのか、その実態をお話いただきました。
POINT 1:
引きこもる20代ーー外出頻度は70代よりも少ない
ある広告代理店が、社会人の外出回数や内容を調査したところ、体力もあって活動的であるはずの20代の外出回数が最も少なく、70代を下回った。また「自分は引きこもりだ」と認識する人が20代では6割を超え、若い世代ほど自宅で過ごすことを好む傾向にあることが分かった。
「今の20代は合理主義的で、コストパフォーマンス意識が高いです。同じ価値が手に入るなら、あえて外出せずとも家でスマホやインターネットで済ませればいいと考えます。買い物はオンラインショッピングで十分ですし、飲み会もスカイプごしでできてしまう」(加藤さん)
「えー! 画面に向かって乾杯するんですか?」(サッシャさん)
POINT 2:
若者をスルーしてしまう企業たち
「記事では『インターネットやスマホの普及』を理由に挙げていました。若者が自宅に引きこもりがちな要因は他にもありますか?」(サッシャさん)
「そもそも、多くの企業が若者をターゲットにビジネスしていない、というのも要因かもしれません。
現在の日本では、中高年向けに商品開発・広告宣伝したほうが、手っ取り早く売上につながります。そのため、たとえばテレビをつけても、10年以上前から活躍している芸能人が今も出演している。昔は20代の恋愛ドラマが流れていた時間帯で、現在は40代の不倫ドラマを放映している。つまり、若者たちは自分たちに最適化された商品、サービスが見当たらない状態が続いてしまっています」(加藤さん)
「見落としがちなのは、団塊世代、団塊ジュニアたちが現在消費しているのは、若い頃の消費体験をきっかけにリピートしているケースが多いということ。大学時代の体験が、生涯の趣味につながりやすいことも分かっています。
つまり、今の40代以上が消費しているのは、かつて企業が中長期的な視点で種まきをし、若い世代に体験の機会を提供した「過去の遺産」のおかげなのではないか、ということです」(加藤さん)
POINT 3:
マネタイズを焦らず、企業は若者の青春に投資せよ
「たしかに、私が『スター・ウォーズ』で盛り上がれるのも、子どもの頃に楽しんだ経験がベースになっています。
20代が消費者として期待されていない現状、これは、思っている以上にゆゆしきことかもしれません」(サッシャさん)
「たとえば、私がリクルートで立ち上げに携わった『マジ☆部』では、スキーやスノーボードなどの市場の長期的活性化をめざして『雪マジ!19』キャンペーンを実施中です。全国190ヶ所以上のスキー場が参画し、19歳のスキーヤーのリフト券代を無料にする、というものです。このキャンペーンで、のべ60万人の若者がスキー場を訪れる見込みです。
若さは、価値観の柔軟さでもあります。大人たちはマネタイズを急がず、まずは若者に体験するきっかけを提供することから始める必要がありそうです」(加藤さん)
今回のニュースをはじめとした加藤さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
31日は、Loco Partners代表の篠塚 孝哉さんにご登場いただきます。お楽しみに。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください