「一流のビジネスパーソン」たちは、日々どのように「ノート」を活用しているのか。コクヨ社員のノート術をまとめた書籍『コクヨのシンプルノート術』の企画・編集を担当した下地寛也氏に、マッキンゼー出身で「一流のノート術」を研究する大嶋祥誉氏が、「コクヨのノート術」について迫る。

「年間1億冊超のノートを売る」コクヨの社員はノートをどう使うのか?

世の中の人は、どうノートを使っているのか?

大嶋 『コクヨのシンプルノート術』ですが、発売以来、非常に好調のご様子で、私も書店でよく見かけています。それで、まずお聞きしたいのは、この本を出版されたきっかけです。

「年間1億冊超のノートを売る」コクヨの社員はノートをどう使うのか?下地寛也(しもじ・かんや)/1969年生まれ。コクヨ株式会社「コクヨの研修」スキルパークシニアトレーナー。千葉大学工学部工業意匠学科卒。オフィスインテリアデザイン設計、米国インテリア設計事務所留学、働く環境と従業員の行動(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する分析・研究などの業務に従事したのち、2003年より、法人顧客に対する企業変革コンサルティング、人材育成・教育研修を担当。現在は経営企画室にてコクヨグループのチェンジマネジメントにも取り組んでいる。 『コクヨのシンプルノート術』の企画編集を担当。

下地 はい、この企画のそもそもの始まりは、「他人のノートを覗き見してみたい」というものです。

 「ノート術」の本はいろいろありますが、多くの人が本質的に持っているのが、そうした感情ではないでしょうか。だからこの本では、コクヨの社員からたくさんのノートを集めて、「こんな使い方をしていますよ」ということを紹介しようと考えました。

大嶋 その感覚はすごくわかります。私も「他人のノートを覗き見してみたい」と思いますから(笑)。

下地 ノートを集めていろいろとわかったんですが、まず「方眼」「横罫」「無地」のノートを使っている人の割合がコクヨ社内ではほぼ5:3:2だったんです。意外に方眼を使っている人が多いのに驚きました。

大嶋 私はずっと横罫を使っていますが、たしかに方眼を使っている人は周りでも多いですね。

下地 売上で言えば、じつは横罫が圧倒的なんです。でも、それは学生の多くが横罫を使っているということで、社会人になると方眼を使う人が増えるんですよ。

「横罫・方眼・無地」はそれぞれ、どんな場面で使われるのか?

大嶋 学生時代は横罫を使って、社会人になると方眼に移っていくというのは何か意味があるんでしょうか?

下地 社会人、学生というより、そもそも「横罫」「方眼」「無地」には、それぞれに適した使い方、目的の違いがあると思うんです。

大嶋 プロが語る「横罫、方眼、無地の使い分け」。これはとても気になりますね。

下地 この違いを説明するとき、私はいつも「ワード」が横罫、「エクセル」が方眼、「パワポ」は無地という言い方をしています。