めざすのは「誰もが自分に合った働き方を選べる社会」

2017/10/23
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。

23日は、相模女子大学客員教授の白河 桃子(しらかわ・とうこ)さんが出演。白河さんは少子化ジャーナリスト、そして、働き方改革の有識者として実現会議の民間議員としても活躍中です。
白河さんには、「【ビル・エモット】日本の未来のカギを握るのは、女性だ」(NewsPicks編集部)について、専門家の立場からお話いただきました。
POINT 1:
国際ジャーナリストが指摘する「日本女性の活躍をはばむ障壁」

『エコノミスト』誌の元編集長で国際ジャーナリストのビル・エモット氏によるレポート。日本の女性リーダーへの取材を重ね、「日本の女性の活躍を妨げている理由」を3点指摘した。
「ひとつは、『組織が年功序列であること』。男女雇用機会均等法から30年経ちましたが、企業のなかでようやく責任ある地位に付く女性が出てきた。それは昇進のタイミングがとても遅いためでもあります。
ふたつめは、『根強い男性中心的な企業文化』。そして最後に『待機児童の問題』を挙げられています。働き方改革に携わる私にとっては、特にふたつめの理由が印象的でした。」(白河さん)
「男性の私からは、よく分からない部分があるのですが、やはり『男性中心的』なのでしょうか?」(サッシャ)
「昔は『24時間働けますか?』というCMがありましたね。当時に比べれば改善されましたが、企業によっては、その時代のマインドを引きずっているところもあります。
女性の働き方だけを切り出して変えたとしても、彼女たちの活躍を実現するのは困難です。パートナーである男性が『家庭と仕事を両立しよう』と思っても、なかなか上司の理解を得られにくい。つまり、男性も含めた全体の働き方、仕事観を変えていくことが必要です」
POINT 2:
国会で審議予定の法案にも注目
「私が実現会議で実行プランに関わった、『時間外労働の上限規制』が国会で審議される予定です。当初は秋の国会で審議予定でしたが、今回の選挙で先送りになってしまいました。
この法案を端的に説明すると「働く人の安全、健康を守るための制限速度」です。日本はこれまで、制限速度のない高速道路のようだった、ということになります」(白河さん)
「なかにはこの法案を「制限を設けることで、働きたい人のやる気を損ねるのではないか」という指摘を受けることがありますが、まずはビジネスパーソンの健康、そして、さらなる活躍を守るために、ルールを設ける必要性を感じています。これをベースに、誰もが柔軟な働き方が可能になればと思います」(白河さん)
POINT 3:
性別に関係なく、誰もが自分に合った働き方を選べる社会に
「企業の働き方改革の実践事例をみていて、一番私がすごいと思ったのは、味の素さんです。朝8時15分に出社し、みんなで午後4時30分には退社する、7時間労働制です。『本気のダイバーシティをめざすには、日本風の働き方を変えねばならない』と社長が腹を括っているそうなんですね。
また、『どこでもワーク』という制度も設けました。場所を問わず社外からでも仕事ができるようにするというものです。この制度は、子育て中の方だけでなく、誰でも使うことができ、空いた時間を自己研鑽に当てることができます」(白河さん)
「若い世代の男性を見ていると、けっこうポジティブに思えることもあります。育児にも積極的ですしね。」(サッシャさん)
「男性で『育児休暇を取得したい』と考える方も増えているという調査もありますね。
性別にも関係なく、また、目的も育児に限ったものでなくていいと思います。たとえばZOZOTOWNを運営するスタートトゥディは、創業時から午後4時30分退社だとか。流行を扱う会社だから、オフィスを夕方には出て、街へ行って自分でいろいろ見て体験してほしい、そうでないといいアイディアは湧かないだろう、と。
誰もが自分に合った働き方ができるようになれるといいですね」(白河さん)
今回のニュースをはじめとした白河さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
24日は石川 涼さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください