【堀江貴文】今、街づくりに求められる「人」のデザイン

2017/10/17
サッシャ 未来を歩く羅針盤「PICK ONE」。200万ユーザーが使っている経済ニュースアプリ「NewsPicks」とコラボレーションして、未来を読み解くヒントになるような話題をチョイス。
今日も、昨日に引き続き堀江貴文さんが出演。「東京・港区民:10人に1人が社長 利便性、ステータスが背景」(毎日新聞)を題材に、堀江さん流「都心の街づくりはどうあるべきか」を伺いました。
港区はまだ再開発の余地がある
サッシャ 堀江さん、港区は10人に1人が社長ですか?
堀江 そんな感じはしますね。実際、港区はすごくリッチです。中学生まで医療費無料とか行政の助成制度がすごいです。タワーマンションも建ちまくっていますし、小学校とか中学校は飽和状態らしいです。
サッシャ 港区にはかなり、一極集中していますよね。
堀江 だけど、まだまだ全然再開発の余地があると思うんです。
サッシャ これでもですか?
堀江 港区には小さな地権者が多いというか、昔から小さな住宅などが山ほどあるんです。だから、六本木ヒルズの再開発はすごく大変で、開発するのに20-30年かかったと聞いています。
寺岡 確かに、J-WAVEがある六本木も、ちょっと入ると小さい住宅がたくさんありますね。
堀江 六本木ヒルズを開発した森ビルの人たちは1990年ごろに、開発対象エリアの地権者を一軒一軒回って了解を得る、というようなことをずっとやっていたんですよ。
それで、やっと2003年に六本木ヒルズがオープンしたんです。
進む都市開発の変化
堀江 再開発に関わる規制でいうと、建築基準法では最近、建蔽率(けんぺいりつ:敷地面積に対する建築面積の割合)が緩和されてきました。ほかにも、空中権の売買ができるようになった点も、ここ数年で大きく変わったところですね。
例えば、東京駅にある東京ステーションホテルの再開発では、空中権を売って資金調達をしたことで知られています。
東京ステーションホテルのビル自体の高さは(建築可能な高さより低い)3階か4階ぐらいしかない。それで、東京駅の隣に建った大きなビルに、その分の空中権を売ったんですよ。
サッシャ つまり「自分のところのビルは高く建てないから、その分どうぞ」ってあげたわけですね。
堀江 そうです。「空中権」を買った方は(建設するビルの高さをさらに)高くできる。
売った方はその分お金をもらえる。それを、ステーションホテルのリニューアルに充てた、というのがあのプロジェクトです。
他にも変わってきた点として、高齢化が進むなかで「一軒家に住むのはやっぱり大変だ」ということで、70-80歳になった方が、自分たちの家を売ってタワーマンションに引っ越す、という動きが実際に起きているんです。
バリアフリーのタワーマンションに住んだほうが快適だし、新しいし、(これまで住んできた戸建ての)リフォーム費用ももったいないし。そういうのが受け入れられるようになってきたのかなと思います。
だから、都心の再開発は今、すごい勢いで進んでいて、これからまだまだ建てられると思いますよ。
サッシャ ここ六本木ヒルズの向かい側にライブハウスがあって、あの裏手も一軒家がいっぱい並んでますね。あの辺りも再開発の余地がありそうです。
堀江 だから、ブルーシアターも今年で終わりなんです。あそこはもう、再開発がスタートしますね。
サッシャ そうなんですね。
堀江 あそこもでっかいビルが建つと思います。
(写真:key05/istock.com
「人」もデザインする街づくり
サッシャ 港区だけになぜ「社長が10人に1人」もいるのでしょうか。多分、他の区はこんなに社長はいないと思うんです。他の区が港区から学べることは何かありますか?
堀江 実は、僕に言わせれば、六本木がめちゃくちゃうまくいってるかっていうと、まだまだな部分があると考えています。
サッシャ そうですか。
堀江 例えば、六本木交差点周辺の飲食店って、申し訳ないけれど、僕は絶対に行かないような店が増えてきているんです。しょぼい店というか。
これはどういうことかというと、戦後あのへんで、イケてる店を作っていた人たちが高齢化して、亡くなられたりとか、引退されたりとかして、店を手放していったんですね。
そこに、「短期的に稼げればいいや」というような、金儲け目当ての人たちが入ってきている。
立地がよくて家賃が高いからそういう人たちが入ってくるのですが、結局、それが町の雰囲気を壊しつつあると考えています。
僕としては、安かろう、悪かろうになっちゃ駄目だと思うんですよ。
六本木交差点のすぐそばの一番立地のいい所に、格安の飲食店なんてできちゃ駄目なんだよね。
全員がそうじゃないけれど、安いものを求めて来る層っていうのは、やっぱり客筋も安かろう、悪かろうになっちゃうと思うんですよ。そういう人ばかりが集まってくると、街の雰囲気が壊れてくる。
街づくりというのは、建物や飲食店、景観とかのデザインだけじゃなく、「人」もデザインしなきゃいけないと考えているんです。
空気感を大切に
堀江 西麻布で僕がプロデュースしてる「WAGYUMAFIA BUTCHER’S KITCHEN」という店は、会員制にしています。見た目はオープンなんですけど、会員制で入れないわけですよ。
そんなに高いわけじゃないけれど、紹介と入会金に1万円を払わないと会員になれない、というシステムにしています。
変な客に来てほしくないから、あえてそういうシステムにしてフィルターを掛けて、いいお客さんを呼んでくることを僕は考えてる。
サッシャ しかし、街全体のデザインって、1店舗とか、1人ではできないですよね。
堀江 そう。1人ではできないから、皆でそれをやる雰囲気を作っていかなきゃいけないんです。
サッシャ まずは空気感を作っていく。
堀江 例えば、京都も空気感を大切にしているところがあると思います。
京都の祇園は、変な客が入って来ないように徹底している。でも、先斗町の通りを1つ挟むと、風俗があったり、結構安っぽい店がいっぱいあったりして、雰囲気もガラリと変わるし、客層も悪くなります。
(写真:630ben/istock.com)
今の六本木は、「家賃を払ってくれるなら誰でもいい」かのように、テナントを入れているとしか思えないところも結構ある。だから駄目なんだと思うんですよ。
空気感を作っていくことが今、すごい大事になっていると思うし、古くなった雑居ビルのオーナーには、そういう意識を持って欲しいと思いますね。
たとえ苦しくても、「街の空気を作っていく」という意識が、街づくりには大事だと思うんです。
サッシャ プライドを持て、ということですね。
堀江 頑張って、プライドを持って街づくりをしていかないと、すぐ街の雰囲気は壊れていきますよ。
そういう意味では森ビルは、「こんな人たちに来てほしいから、美術館を作ろう」とか「映画館を作ろう」とか、他の不動産ディベロッパーに比べて街のデザインからそこに集まる人のデザインまで、全部やっているわけです。
正直、採算面でいうと美術館なんかは儲からないと思うんです。だけど、それがあることで、いいお客さんが来るんだと思います。
サッシャ そうすると、そこにあるいいレストランにも人が来ますね。
堀江 そう。そういうことです。
サッシャ 港区だけでなく、街の在り方に対する考え方とかプライドみたいなところにも話が広がりましたね。明日もまた、よろしくお願いします。
堀江 よろしくお願いします。
※本記事は、放送の内容を再構成しています。
また、今回のニュースをはじめとした堀江貴文さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください。