[ブリュッセル/ロンドン 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官は12日、拠出金を巡って英国の離脱協議がこう着状態に陥ったとの認識を示した。

来週のEU首脳会議で、将来の貿易について協議を始める可能性を否定したが、12月までの進展に含みを残した。記者団に語った。

一方で英国のメイ首相は、市民の権利問題などを巡り交渉に進展がみられ、早期の貿易協議移行に期待感を表明した。記者団に語った。

メイ氏は先月22日、イタリア・フィレンツェで演説し、離脱後2年間の移行期間や、拠出金の支払いなどを提案した。

バルニエ氏は、何に対する拠出金の支払いかを英国側が明示していないと指摘した。ただ、「政治的な意思があれば、今後2カ月中に決定的な進展実現も可能となお確信している」と述べた。

来週のEU首脳会議について、EU当局者らは一様に貿易交渉に向けた明らかな動きを否定する。ただ、EUの強硬姿勢に対する英国側の批判を抑えようと、「前向きな表現」を期待する向きも多い。

当局者らは、将来の関係協議への移行合意期限は実質的に来年の早い時期と指摘する。合意できなければ、円滑な移行や合意さえもまったく見込めなくなるリスクが高まるとみられている。