#秘話 インスタ飛躍の理由。2億5000万人を魅了する「ストーリーズ」を作った男

2017/10/24
2016年3月、ある男がインスタグラムにジョインした。
ケビン・ウェイル。まだ創業3年目だった米ツイッターに初のデータ・サイエンティストとして入社し、後にツイッターのプロダクト部門を率いるようになった人物だ。
ここ数年、アメリカの10~20代の間で最も勢いのあったSNSは、フェイスブックでもツイッターでも、そしてインスタでもなかった。送った画像が24時間で消えるメッセージアプリ「スナップチャット(Snapchat)」だ。
スナチャを運営する米スナップ社といえば、マーク・ザッカーバーグ率いる米フェイスブックが、インスタを買収した翌年の2013年、インスタの3倍の値段で買収を打診。だが、スナップ社はこれを断った経緯がある。
そんな勢いづくスナチャに猛追を受けていたインスタのケビン・シストロームCEOが、スナチャに対抗すべく最高製品責任者として招き入れた人物こそ、ウェイルだったのだ。
彼はどんなミッションでインスタに入社したのか。
ウェイルが入社して約半年後の2016年8月、インスタは“スナチャ・キラー”とも呼べる新たな機能「インスタグラム ストーリーズ(Instagram Stories)」を発表する。
スナチャ同様、24時間後に写真や動画が自動で消えるこのストーリーズの1日当たり利用者数(DAU)は、発表からわずか1年でスナチャの1億6600万人を上回る、2.5億人に達した。
まさに“スナチャつぶし”の戦略とあって、以降、スナチャの成長は鈍化している。スナチャを使っていた10代の若者までもが、インスタに流れ始めたとみられる。
一方、インスタはさらに成長を一段と加速させている。インスタ自体の月間アクティブ利用者(MAU)は全世界で今や8億人と、フェイスブックの4割規模にまで達した。とりわけ、ストーリーズ導入以降、ユーザー数の伸びは急上昇している。
ウェイルが加わってからのインスタは、なぜ成長を加速できたのか。彼が率いた「ストーリーズ」の狙いとは何だったのか。
NewsPicks編集部は、このインスタの成長“第2ステージ”の鍵を握るキーマンへの単独インタビューに成功。
インスタとの出逢いからストーリーズの開発秘話、さらにインスタが描く未来像まで。「7つのトピック」を、たっぷり1万字にわたってお送りする。