この連載について
半導体が「新時代」に突入しようとしている。日本では、東芝の半導体メモリの売却ばかりが取りざたされるが、世界では今、コンピューティングの世界を揺るがす半導体の地殻変動が起きている。AI、IoTを時代を迎える中で、半導体の世界はどこへいくのか。その最前線をリポートする。
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インフラサービス領域(発電システム、公共インフラや産業向けソリューション等)とデバイス領域(パワー半導体、高容量HDD等)で事業展開。医用画像情報システム、偏光板保護フィルムなどで世界シェアが高い。
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第一に、CPUとメモリをごちゃまぜに論じる事への疑問。
各種ランキングでは半導体、とまとめて括られがちだが役割は明確かつ大きく異なります。
本当に付加価値が高い脳みそ部分のCPUは昔も今も、上位はアメリカ勢のみ。
韓国、日本、台湾勢はみなメモリ。メモリは低価格と微細化です。微細化は物理的なものなので限界があります。
またCPUはGPU、TPUと進化を遂げている。ここでもアメリカのみです。今後出てくるとすれば中国でしょう。
第二に、国で括る事の意味。
経済はあくまて民間。企業家個人や会社によるアニマルスピリットによる。それが強いものが勝ち、弱いものが負ける、その原理原則があるのみ。
例えばARMの所有者は日本企業ですが、だから良い悪いという話でもない。
逆に日本勢うんぬんと語る事を卒業してはじめて、ミクロ個々の日本企業が輝く時代が来るのかもしれません。
過去を振り返るのはたやすい.1991年,私が大学生だったころ,NHKスペシャル「電子立国日本の自叙伝」という番組を夢中で見ていた.DVDになっているので歴史的資料としてお勧めしますが,
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そのなかで,当時,ある半導体メーカーの幹部技術者が,
「半導体産業がここまで巨大になってしまうと,新興国が追い付くのは無理.日本にとって,戦後の復興期と半導体産業の発展期が一致していて幸運だった.」
と語っていたのが印象に残っている.「日本凄い!」 これは永遠に続くと思ったものですが,見事に状況を見誤っていたわけだ.
状況に合わせた最善の方策で誤った道を選んでしまう.難しい...
この数年の半導体大再編で、日本企業が名を連ねることはありませんが、東芝メモリの売却が、今のところをはいい匂いが全くしませんが、結果的に何か新たな境地に繋がることを切に願います。
世界では、AIチップに参入するスタートアップもありますが、技術ベンチャーたちの台頭にも期待したいですね!
エレクトロニクス分野は一言以上にご意見のある方が多いと思いますので、私なり少し俯瞰した観点でポイントを述べさせてもらうと、ポイントは2つでしょう。
一つは、日本のプレーヤーは戦略的に投資を行い、投資競争を勝ち抜いて最後には寡占化による利益を得るという思考を継続できなかったこと。このゲームのルールは他の産業でもごく一般に見られるもので、うまくやっている日本企業もあります。エレキのプレーヤーに技術ベースの戦略的経営マインドが乏しかった、あるいはサムスンやTSMCを軽くみすぎていたと思われます。
もう一つは、福田さんも指摘していますが、垂直統合から水平分業への業界構造のシフトにうまく対応できなかったこと。製造装置のビジネスロジックと事業展開、またPC普及期の台湾EMSの躍進などを見れば、水平分業後の受益者の実力をしっかり見据えることができたと思われます。水平分業は家電でも起きましたので、日本の家電の凋落とも符号するストーリーです(今後は自動車にもリスクがあります)。
ソニーのCellはどこまで掘り下げられるでしょうか。
日本からインテルのようなフェニックスが出てくることに期待したいと思います。
湯之上氏の話は、一般素人や実際を知らない素人学者には、受けているが、専門家や当時の経営者などからは、酷評。
メモリ、DRAMでは、JEDEC標準化が鍵。
一般では、特許紛争。
90-95年は油断。
でも、90年代、2000年前後はそこそこ。
どうしようもなくなるのが、ITバブル崩壊以降。
垂井さんは、お世話になったが、装置に絞ったこと、武石さんが立派だった。
東芝のNANDは、2002年にセミナーで、舛岡さんや小林清志を招いたが、そこで、DRAMの二の舞はしない、という通り。
そもそも、アカデミズムは、実際を知らないから、敗因について総括ができていない。当時の経営者や事業部長クラスに聞かないとダメだろう。
多角的にみないといけないので、今回、パネルセミナーもやるが、そこで、紺野先生のINCJ秘史もあり、彼も、半導体を政策側から知っている。森川さん、来ないとダメだと思いますよ。個別に時間が取れなくて申し訳ないが。
どうも、最近、また、ニュースピックスの編集の意識や、プロも含め、多数の意識レベルが落ちたような気がして。。
①敗因3に関係するところだが、付加価値がメモリ→MPUに変わった。そこがIntelの逆転劇の背景でもあるし、日本が付加価値競争で負けた要因でもある。
②敗因1に関わることだが、新日米半導体協定ゆえに日本が設備投資を抑えていた。その逆側でSamsungはメモリで設備投資をしまくっていて、台頭を許した。
特にトッププレイヤーだった日本が設備投資を抑えている中で需要は伸びているので、価格が安定的。利益がどんどん生まれるので、再投資がトップでないメーカーでもできた。
③湯之上さんの著書などに書かれているが、メモリについて歩留まりと品質のバランスを間違えた。どんどん技術進化して数年単位で変わるものなのに10年以上の耐用年数をベースとした品質要求をして、メモリのコスト競争力が悪かった。
④敗因3に絡むところだが、半導体は極めてサイクルが早く、厳しい時も投資をし続けないと勝てない業界。そういう意味で総合電機のほかの事業とはサイクル特性やスピード感が違う。
そのなかで、総合電機の一事業としての扱いだった(むしろ傍流)。そしてシリコンサイクルの冬の時に「儲かっていないのだから投資をしない」という意思決定になってしまい、競争力が劣化していった。
⑤定性的ではあるが、驕りは間違いなくあっただろう。世界トップに上がったといったところ。逆に、現場では早くからメモリの競争力で負けている、ファンドリ・ファブレスモデルに移行すべきといった話はあったとも聞く。
そしてそこに経営が応えられなかったことも、技術者の「移籍」につながり、さらなる競争力の相対劣化につながった部分もあると思う。
https://newspicks.com/news/2542576
(⑥超LSI技術研究組合の成功がむしろアダとなり、メーカー横断の研究が多く生まれたが、むしろにらみ合いになり、スピードを殺したといった話も、どこかの本で見たことがある)
一方で、ちょうど今はゲームチャンジが起きている真っ只中。この中から一歩抜きに出るベンチャーに期待したいです。
そう考えると、改めて自分の世代が端境期なんだな、と実感します
そして近年では意思決定の迅速性を要求されます。アメリカにいると、質よりも早さにこだわっている国民性であることがよくわかり、組織設計もそういう考えからシンプルであることに気付かされます。あと2、3倍早めないと競争には勝てない感覚です。
半導体は超ざっくり分けると、メモリとそれ以外で事業特性が大きく異なると捉えています。一番大きな違いを超ざっくり書くと、メモリは汎用性が高く、それ以外は用途に応じて何らかのカスタムが必要になるという点です。AIにおいて演算処理を行う半導体は、もちろん後者。
AIにおけるアルゴリズムは、研究をされている方からすると、データの内容や目的によって多様化していく方向性のようです。よってそれに合わせて半導体も最も性能を良くするためにますますカスタムが必要な状況になっています。
サービス側がデータやアルゴリズムを握るようになったので、最新の半導体については開発もそちら側に移ってきています。つまり、ファンドリや半導体の設計資産を有するIPプロバイダが力を持つというよりは、Google、Apple、Facebookなど、サービス側が半導体開発まで握り、自分のやりたいことに最適化した半導体を勝手に作っていくのが最先端の演算部分と見ています。
この連載では最後にAmazonが出てくるようなので、楽しみにしています。