巨額のビットコインを生み出す、「魔法の半導体チップ」の秘密

2017/9/27
世界中の企業が、途方もない規模のコンピュータを用意して、時価総額約8兆円のビットコインの採掘競争を繰り広げている。その王座にあるのが、全世界のビットコインの1/4をたった1社で掘り起こしている、中国のビットメイン社だ。NewsPicks編集部は、その創業者であるジハン・ウー氏への独占インタビューに成功。デジタル時代のゴールドラッシュを制する男の物語を、全3回にわたってお届けする。
「通貨の歴史」に魅せられた男
──あなたが強烈にビットコインに惹かれたのは、何がきっかけだったのでしょうか。
北京大学の学生だったころから、私は人間の作ってきた貨幣システムに興味をもち、その歴史を学んでいました。人類は、これまでさまざまな「カタチ」のお金を生みだしてきたのです。
私が初めてビットコインと出会った時、強く魅了されたのは、それが古来からあるお金の性質と、デジタル時代のまったく新しい性質の、両方を兼ね備えていたからです。
まずビットコインはどこかの国や政府が発行している訳ではない、プライベートなお金である点では、古来の通貨によく似ています。
一方で、テクノロジーの進化によって、初めて国や金融機関を必要としない「非中央集権的」な存在となった点では、新しいお金とも言えます。
しかもその安全性は数学的な仕組みに裏打ちされており、一国の政府が勝手に発行量を増やして、インフレを引き起こすようなこともありません。
ビットメイン創業者のジハン・ウー氏。同社は現在、800人の従業員をかかえており、米国やイスラエル、オランダなどに拠点を構える(写真:池田光史)
──だからこそ、約8年半にわたってビットコインは、世界中にその支持を広げてきました。
ビットコインに備わった、「新」と「旧」の2つの性質。これはきっと、歴史を変えるような存在になるだろうという直感があり、もっと深く知りたいと思うようになりました。