米税制改革、配当の法人税控除認めるべき=上院財政委トップ
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「これってどういうニュースなの?」って方用に簡単に要約すると、まず、銀行が払う利息は銀行にとって費用になるので、銀行が払う税金は利息が控除された後の利益から算出されます。
一方、株式の配当は法人税を支払った後の利益を原資として分配されますが、配当を受け取った個人にも配当について税金が取られます。
この差はあんまりではないか、という議論が昔からあったわけです。実際にアメリカでは1500兆円とも言われる膨大な額の株式を、個人が直接か年金・投信を通じて保有していることもあり、かつてのブッシュ政権下で個人配当の非課税法案を審議しましたが、議会を通りませんでした。理由は余りに財政的負担が大きいということでした。
これに再チャレンジして、配当も税金を払う原資である課税所得(Taxable income)算出時に控除しようじゃないか、ということです。かねてからのハッチ委員長の持論ですが、これまでの政権と議会の調整では、それほど大きく取り上げられてこなかったように思います。ハッチ委員長の独走である可能性もあり、来週の骨子発表を前に、どこまで政権と議会の調整が進んでいるのか、ちょっと不安です。
<追記>内容については、もとの記事自体が混乱していますが、ハッチの法人統合税制では、配当が控除されるのは所得税側ではなく法人税側です。その点で、ブッシュ減税で試みられた二重課税の廃止とは趣が異なります。同時に受取配当と利子については、企業サイドに源泉徴収が義務付けられます。この源泉徴収に関しては、退職年金基金などの非課税団体にも課せられる点が、ハッチ案への反論の一つの論拠になってきました。
二重課税は米国の税制が抱える論点の一つではありますが、必ずしも今回の税制改革論では、焦点が当たってきませんでした。ハッチの法人統合税制には、今回の課題の一つである国際課税の問題への対応も含まれてはいますが、ここにきて二重課税の問題が取り上げられていること自体に、議論がつまりきっていない状況が感じられます。