FRBのバランスシート縮小、準備万端でも残る不安
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わかりやすいグラフがついていたのでWSJ(有料記事)ですが、Pickです。
20日におそらく決定される「資産買入の縮小」ですが、どのくらいのペースで何が縮小されていくのか、グラフからイメージが湧きます。
↓さらに細かく説明しますと・・・
縮小するのは、Fedが保有している米国債とMBS(住宅ローンを証券化したもの)です。
国債は、「10年国債」などと呼ばれるように償還期限がくると、政府からお金をもらい、国債がなくなってしまいます。そうすると、国債の残高が減ってしまうので、新たに買い足します(再投資)。この再投資の量を減らすというのが、今回決定する(と予想されている)縮小です。
グラフでは、先行きの償還される国債とMBSの残高が示されており、その分、Fedのバランスシートが減っていくことになります(さらに複雑なのは、Fedは「再投資しない金額の上限」も定めているので、上限を超えて償還される場合は、再投資し続けます=残高が維持されます)
書いていて、思うのですが、やっぱり金融政策って、何をやっているのかホントにわかりづらいですね・・・「影のFF金利」なるものを初めて聞いた。
グラフからも見えやすいが、金融危機の際にまずは利下げから始まって、資産買入もしていったが、金利換算すると8%程度ピーク・ボトムで下がっている。グラフを見る限り、16年末では0%近傍まで戻っており3/8の戻しが完了。
一方で、実際に金利が上がる(上げるべき)のはまだまだ先という示唆。そして減少が続くと、金融危機前のBSサイズになるのは2024年くらいだろうか(目分量)。
『タヌッツォ氏は「影のFF金利」と同じ考え方で逆算し、このペースであれば毎年76ベーシスポイント(bp)の追加利上げを行うのと同じ効果があるとみている。すなわち、毎年の利上げ回数が3回増えるようなものだ。』今月初にニューヨークを訪問し、多くの専門家の皆様にお目にかかったのですが、記事にあるように、資産圧縮の影響について意外に慎重な意見が多かったことが印象に残りました。
shadow FFレートのような手の込んだ手法でなくても、過去の量的緩和による長期金利の引き下げ効果に関する分析を踏まえて、50-100bpといったインパクトを見込む方が多かったように思います。
米国経済の現状や市場での長期金利の低下圧力を考えると、それ自体を吸収することには大きな問題はないかもしれませんが、記事にあるように政策金利の引き上げと並走した場合のストレスは無視し得なくなることも考えられます。
FRBは、問題が生じた場合は利上げペースを調整することで対処するとみられますが、それだけに今回の利上げがどのようなパターンを辿るかは尚更不透明になっていると思います。