世界的な成功者たちのテクニックと戦略に学んで、一日を力強くスタートする方法をみつけよう。

朝を制するものは一日を制する

午前6時。目覚まし時計がチカチカと点滅し、金切り声を上げて作動し始める。いやいやながら、ダルい腕を伸ばして、スヌーズボタンをまさぐる。それから30分ほど同じことを繰り返したあと、ようやく気力を奮い起こして目を開ける。
起きてから最初にとる行動は、スマートフォンを取り上げて未読のメールをチェックすることだ。
そして、次には恐怖感にさいなまれる。ああっ、なんてこった。仕事の締め切りは今日の午後4時で、そのあとには大事なミーティングが控えているじゃないか。オレはいったいどうすればいい? どうすればすべてを間に合わせることができるんだ?
もしあなたも、わたしと同様にこんな朝を経験したことがあるなら、それがまったく非生産的で、これから迎える一日のストレスを増すだけであることは、よくご存知のことだろう。だが幸いなことに、わたしはその解決方法を知っている。
昔から「朝を制するものは一日を制する」と言われてきた。わたしはその考えを強く支持するし、まったくもって正しいと信じている。
わたしは世界的な成功を収めた人々から、そのために必要な戦略を学び、自分の生活に取り入れてきた。そうした人々は、みんな朝のルーティンにユニークな工夫をして、時間とエネルギーを節約し、心の平和を保てるようにしている。
ここに紹介するのは、あなたにもすぐに実行できる、6人のセレブリティの朝の儀式だ。

1. トニー・ロビンズ

トニー・ロビンズは自己啓発の達人であり、成功と幸福の心理学に精通する人物だ。トニーは少々キツい言い方で、もっともな意見を述べている。毎朝、自分自身のために使う10分を確保できないのなら、そんな生活は人生とは呼べない、というのだ。
ロビンスは、「プライミング」(「点火」の意味)と呼ぶ自分なりの儀式として、3つの部分からなるプログラムを実行している。
(1)カパラバティ・プラナヤマという呼吸法を、30回を1セットとして3セット行う。
(2)目を閉じて、自分に与えられたすべてのものへの感謝を表現しながら、呼吸を遅くしていく。
(3)助けと導きを乞い、その日を元気に送れることを願って祈る。

2. ティム・フェリス

ティム・フェリスは、ぜひとも見習うべき人物だろう。なぜなら、フェリスはさまざまな職業と地位にある、何千人もの成功を収めたリーダーたちにインタビューをしながら、自分の朝の儀式を作り上げてきたからだ。
まず最初に、フェリスは寝ていたベッドを整える。それによって、自身が小さな自尊心に満たされ、やるべきことをすぐにやったと思えるからだという。次に行うのは、10分間から20分間の瞑想だ(瞑想には「ヘッドスペース(Headspece)」というアプリをお勧めする。わたしも、これを瞑想のガイドと記録に役立てている)。
そして、少なくとも30秒間の軽い運動をしたあと、濃いお茶を飲む。最後の仕上げは、5分間から10分間を費やして日記を書くことだ。これは「気持ちを前向きにして、その日を気分よくすごす」のに役立つという。

3. オプラ・ウィンフリー

フェリスと同様に、オプラ・ウィンフリーも朝の儀式を20分間の瞑想から始める。そうすることで、「希望と満足感と深い喜び」に満たされるのだという。
次にウィンフリーはトレッドミルで走り、心拍数を上げる。少なくとも15分間の運動が、生産性とエネルギーレベルを高めてくれると確信しているからだ。
そして、散歩をしたり、音楽を聴いたり、おいしい食事を作ったりして「自分の波長を整えた」のちに、複合糖質(精製されていない糖質)、食物繊維、タンパク質の豊富な健康的な食事を取ることで、朝の儀式は締めくくられる。

4. バラク・オバマ

前合衆国大統領のバラク・オバマは、ホワイトハウスにいた時、いつもその日最初のスケジュールの2時間前に起床していた。これはしばしば午前5時前に起きることを意味したが、そうすることによって、前大統領が大事にしていた朝の運動の習慣を欠かさず続けることができたのだ。
驚くべきことに、オバマはコーヒーを口にしない。その代わりに緑茶を好み、オレンジジュースや水をたっぷり飲んで、水分を補給している。
朝の運動と朝食の後、オバマはニューヨーク・タイムズ紙を読み、ESPNを見て、時事問題の把握につとめる。

5. ジョッコ・ウィリンク

ジョッコ・ウィリンクは米海軍特殊部隊(Navy SEALs)の元司令官で、イラク戦争のさなかに特殊部隊のチーム・スリーでタスクユニット(小隊)「ブレイザー」を率いた人物だ。
ウィリンクの朝のルーティンは、かなり早い時刻、いつもは午前4時30分ごろに始まる(実際に行っている様子は、同氏のインスタグラム@jockowillinkで見ることができる)。このルーティンを守るために、ウィリンクは目覚まし時計を3つも仕掛けているという。
ベッドを出ると、まっすぐにジムへ向かい、およそ1時間にわたって過酷な筋力トレーニングを行う。このワークアウトの締めくくりに30分ほどのジョギングをしたあと、午前6時前後にはシャワーを浴びて、その日の仕事に向けた準備が完了するのだ。
軍を退いた後、ビジネスでも多大な成功を収めているのは、このルーティンをずっと続けてきたおかげだと、ウィリンクは確信している。

6. スティーブ・ジョブス

いまは亡き偉大なスティーブ・ジョブスには、驚くほど深遠で、それでいてシンプルな朝のルーティンがあった。朝起きて、ベッドを整え、シャワーを浴びたあと、ジョブスは鏡の中の自分を眺めるのを日課としていた。そして、自分の目を見つめながら、こう尋ねるのだ。
「今日が人生最後の日だったとしたら、自分が今日これからやろうとしていることに、よろこんで取り組めるだろうか?」
そして、「ノー」と答える日が何日も続いた時には、何かを変える必要があるとジョブスは考えていた。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Bryan Adams/Founder and CEO, Ph.Creative、翻訳:水書健司/ガリレオ、写真:eggeeggjiew/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.