[東京 14日 ロイター] - マツダ<7261.T>は14日、3列シートの新型SUV(スポーツ用多目的車)「CX―8」を発表、受注を国内で開始した。6―7人乗りの大型SUVで、国内最上級モデルとして12月14日に発売する。同社は今期中にミニバンの生産を終了する方針で、ミニバンの代替モデルとしてCX―8を投入し、世界的に需要が高まるSUVに商品展開を集中させる。

国内で多人数乗りの乗用車といえば、子供を乗せる家族向けなどのミニバンが主流だったが、小飼雅道社長は「国内の自動車メーカーの動きをみると、ミニバンから2列シートのSUVという方向に徐々にシフトしている」と指摘。「(ミニバンから)撤退するというよりも、もっと積極的な目的で3列シートのSUVに進んでいきたい」と述べた。

新型車の国内投入は2015年の小型SUV「CX―3」以来、約2年ぶり。CX―8では3列目のシートに身長170センチメートルの大人が座っても足元に十分な空間ができるように設計した。給油なしで1000キロメートル超の走行も可能で、力強い走りと高い環境性能を実現した。

販売価格(税込み)は約319万―約419万円。月1200台の国内販売を目指す。海外への展開は今後検討する。排気量2.2リットルの独自低燃費技術によるディーゼルエンジン専用車とした。

ディーゼル車を巡っては、欧州などでの環境規制強化を背景に逆風が吹いており、各社で縮小・撤退の動きが広がっている。だが、マツダは技術優位性があるとしてディーゼル強化の姿勢を変えていない。小飼社長は、電気自動車やプラグインハイブリッド車などと「マルチソリューションで取り組む。適材適所で、地域・国ごとの規制にフレキシブルに対応する」と語った。

(白木真紀)