[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局が14日に発表した8月の不動産投資は、前月から伸びが加速した。政府の抑制策にもかかわらず需要の底堅さが示された。

5年に一度の共産党党大会を10月に控え、市場の安定維持を望む中国の政策当局者にとって朗報と言える。

不動産投資は中国でその他40のビジネスセクターに直接的な影響を及ぼし、中国経済の重要な推進力とみられている。

アナリストは不動産投資の加速について、小規模都市で今年見られている旺盛な需要を背景に、減少しつつある住宅在庫の補充に積極的な開発業者の姿勢を映しているとみている。

スタンダード・チャータードのグレーターチャイナ調査部門のチーフエコノミストは「短期的には依然として下向きのリスクがある」と指摘。「投資の加速は短期的な変動である可能性があり、全般的なトレンドは年内のさらなる減速を示している」と述べた。

ロイターが統計局のデータから算出した8月単月の不動産投資は、前年比7.8%増となり、7月の4.8%増から伸びが加速した。

8月の新築着工(床面積ベース)は前年比5.3%増加。7月は昨年9月以来のマイナスを記録していた。

8月の不動産販売(床面積ベース)は前年比4.3%増加し、7月の2%増から加速した。

ロイターが実施した調査では、アナリストは2017年の住宅価格の伸びが当初予想よりも加速すると見込んでいる。

1─8月の不動産投資は前年比7.9%増となり、伸び率は1―7月から横ばいだった。

新築着工(床面積ベース)は1―8月に7.6%増となり、1―7月の8%を下回る伸びとなった。

1―8月の不動産販売(床面積ベース)は前年比12.7%増と、1―7月の14%増から伸びが鈍化した。

前出のスタンダード・チャータードのエコノミストは、多くの地方政府が年初から積極的に土地を買い上げ、すでに多額の債務を抱えていることに言及し、「比較的タイトな信用供給が続いた場合、今後の開発業者の投資力に明らかに影響を及ぼす」と指摘した。

*内容を追加しました。