【求人掲載】コンサル、事業経験者が電通デジタルに集うわけ

2017/9/21
デジタルの力を使えば、広告を超え、事業課題と向き合えるはず――。2016年7月に誕生した電通デジタルには、その志に触発された精鋭たちが広告業界以外から集まっている。彼らが電通デジタルで何を実現しようとしているのか、この1年に入社した2人のキーパーソンに聞いた。

コンサルティングの限界を感じ始めた

電通デジタルへの転職を決意したのは、率直に言えばコンサルティングの限界を感じ始めたことが理由でした。
前職ではコンサルティングファームに勤め、主にITを軸としてキャリアを積んできました。顧客が抱える経営課題は何か。テクノロジーをどう活用して、その課題解決に役立てるのか。マーケティング領域を中心としたコンサルティングが私の専門領域です。
しかし、世のデジタル化が進み、企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化し続ける中で、課題は常にその姿を変え続け、立てた戦略があっという間に陳腐化することも珍しくありません。つまり、多くの顧客は実行局面まで共に並走してくれるパートナーを求めています。
それにもかかわらず、コンサルという立場は“提言”までで役目を終えざるを得ないことに、次第にジレンマを感じるようになりました。
戦略と実行の間には、深い「川」が流れています。しかし、少しずつそうした在り方は変わりつつあり、コンサルと広告業界はお互いの領域に近づこうとしているように感じます。
そんな時に目にした、電通がデジタルマーケティングに特化した別会社を設立するとのニュース。これは、自分にとって大きなインパクトがありました。
電通が本気で取り組めば、マーケティングを根本から変える可能性があるかもしれない。であれば、「川幅」が狭くなってきている今、「対岸」に渡って「川」の埋め方を考えてみたいという意欲が、転職の決断を後押ししました。

右脳も左脳もそろった現場

自分自身のキャリア設計を考える際、第一にあるのはプロフェッショナルとしてより顧客価値の高い人材になりたいという気持ちでした。この厳しい時代の中で、1社でも多くのマーケティングを改革するお手伝いをし、そこでできるかぎり重要な役割を果たせる存在でいたい。
そんな思いを携え、電通デジタルへ移籍したのが、半年ほど前のこと。現在の私の役割は、自社が持つノウハウやテクノロジーを駆使してコンサルティングチームをリードし、顧客企業の課題解決に役立てることです。
今所属している部門には、実に多彩な人材がそろっています。私のような元コンサルもいれば、プランナーやクリエーター、データサイエンティストなど、右脳も左脳も存分にそろっている印象で、こういった組織は珍しいのではないでしょうか。
おかげでお互いに、思いがけない発想や気づきを与え合えるのは、大きなメリットです。これはこれからのデジタルマーケティングを担うのに必要なポテンシャルなのでしょう。

マーケティングの本質に立ち返っているだけ

今この時代というのは、掴みにくく、届けにくく、売れにくい時代です。その中で、どうやって自社を選択し続けてもらうか。
そのためには、顧客との接点を再構築してエンゲージメントを高め、体験価値を向上することが重要となります。
どうすれば「売れる仕組み」を作れるか。これはデジタルマーケティングというよりも、マーケティングそのものです。私たち電通デジタルにはこのような課題が日々持ち込まれ、多くのプロジェクトが動いています。
要は、これまで把握が難しかった生活者のニーズや行動が、デジタルによって把握でき、また、デジタルによってアプローチできるようになった。生活者起点で考えるというマーケティングの本質に、あらためて立ち返っている現状がここにあるわけです。
そしてそれは、経営に資するというITの本質そのものでもあると感じます。そのため、テクノロジーを専門とする人材には、ますます大きな期待と活躍の場が広がっています。
デジタルマーケティングという流れの中で、戦略と実行が一体になってきている今、コンサルタントもマーケターもエンジニアも、それぞれの専門性を発揮して、一体となって課題解決に取り組むべき。
そこには、アプローチが混じり合うことで新しい気づきや成長があるはず。これが、電通デジタルにとっての大きな武器となっているのだと、日々実感させられるのです。

電通デジタル設立に衝撃

電通デジタルに入社してからのこの1年は、いい意味での試行錯誤の期間だったと感じています。もっと言えば、予想以上に自由にやらせてもらえた1年でした。
私は新卒でサイバーエージェントに入社し、昨年の夏まで6年ほど経験を積んでいます。担当領域はインターネット広告からメディア運営まで、一つの会社の中とは思えないほど多彩でした。
子会社のCEOとして経営を任された時期もありました。最も長く携わったのはデータ分析部門で、当時伸び盛りだったソーシャルゲームの分析チームの立ち上げを担当していました。
もともと転職願望があったわけではないのですが、そうして業務を通して様々な経験を積んでいたある日、たまたま目にした電通デジタル設立のリリースに衝撃を受けました。なんとイノベーティブな決断か、と。これがそのまま新天地を求めるきっかけになりました。

圧倒的なクリエーティブ力

現在の担当領域は広義のマーケティングで、スマートデバイスに軸足を置いています。つまり、広告・非広告を問わず、顧客のスマートデバイス事業のサポートを行うのが主な役割です。
日々の業務から肌で感じられるのは、電通グループが持つ圧倒的なクリエーティブの力。サイバーエージェントでインターネット広告に取り組んでいた頃は、電通グループを外側から見る立場だったわけですが、当時は見えなかった発想力や訴求力を今、あらためて痛感しています。
その反面、デジタル領域についてのオペレーション体制には、まだまだ改善の余地が見られるのも事実です。
たとえば、私が前職で身をもって学んできた「数字を伸ばす」ことに特化したノウハウと割り切りは、これからの電通デジタルで生かすべきものの一つだと思っています。

オペレーションはAIに置き換わる

ターゲティングやキャンペーン設定などのオペレーションを人力で行う時代は、そろそろ終焉を迎えるでしょう。それらはAIが担う領域となり、人はクリエーティブと事業設計に注力する時代が、もう2~3年ほどでやってくるはず。
その際に重要なのは、川上で経営戦略を考えられる知見です。つまりこのジャンルでは、コンサルティングや起業を経験した人材に、活躍のフィールドが広がっているでしょう。
実際、前職で子会社の経営に携わった経験が随所で生きており、それは単なる知識や情報の量とは比較できない財産です。マーケティング全体の課題として、獲得単価だけ追っていれば十分ということはありません。どこに着目して成果を測るべきか、事業経験者ならではの視点がきっと物を言うでしょう。
電通デジタルでは現状、まだまだ実行部分を担うプレイヤーが不足していますが、これがより多彩な人材で補完された時、どのような組織ができあがるのか、今から楽しみですね。
現在、電通デジタルとしてスマートデバイス領域をどこまで広げていくか、検討を重ねています。今はスマートフォンが中心ですが、スマートスピーカーやスマートホームなど、さらに可能性は広がっていくはず。
そこにいち早く着手し、マーケティングの“次”のステージで存在感を発揮できる会社であるよう、様々なチャレンジを考えていかなければなりません。そして電通デジタルには、それに適した風通しの良い土壌が整っていることを今、実感しています。
(取材:友清哲 撮影:村上庄吾)
【図解】デジタルで経営はどう変革できるのか