【梶谷懐】「中国経済崩壊論」の問題点
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僕は、04年、05年に北京の清華大学に留学し、09年から現在に至るまで、上海で仕事をしている
もう中国も足掛け10年になる
10年生活して思うのは、最初の7年間は、中国の強引な社会体制、貧富の格差、政治の腐敗、そして何より、これまでの歴史上の政治体制で、権力が集中した先には、必ず崩壊が待っているという考えの基、この国の危うさについても、漠然と不安を感じていた。
それが、この2年ほどで大きく感じ方が変わってきた
正直、経済学や政治学に詳しい専門家でも無いので、感覚的な話でしか無いけど、ただただ中間層が爆発的に増えていて、みんなが豊かになっている
貧しかった人たちが豊かになって、街を歩いていても、活気があって、みんなが綺麗な格好をして、ライフスタイルの多様化や、個性を追求し始めているし、政治というよりも社会に対しての不満がドンドン薄くなって行っているように感じる
これは、これまで持っていた、漠然とした「この国は大丈夫か?」といった不安を押し消して余りあるレベルの衝撃だった
今の中国は、大きく変貌しようとしてる
経済の力によって
あくまで感覚値だけど、住んでる外国人は、一様にこの1、2年の変化を感じてるはず
コンビニやレストランの店員のサービスは劇的に向上していて、警察や役所の人ですら、丁寧になっている
車のクラクションは鳴り止み、飲食店全て全室禁煙。
ごめんなさい、と、ありがとう、が苦手な人が多かった中、気づけばタクシーの運転手さんも素直に謝り、素直に感謝するようになった
長く現在の中国に住んでないと気づかない大きな変化だと思う
今のところドンドン崩壊の不安は消えていってる
経済学や政治学で、国の将来が読めるなら、とっくに戦争も経済危機も無くなってるわけで、人間は合理的に動かないところが、人間たる所以でないですかねかつて、日本が高度経済成長を遂げ、アメリカの製造業をコテンパンにした時代に、もちろん所謂「ジャパンバッシング」はあった一方で、ビジネススクールではこぞって「日本型モデルの強み」の研究が進み、結果的にアメリカ企業の競争力向上に繋がったと言われます
翻って、中国のメガ企業が席巻している中で「政府の後ろ盾」「巨大な自国市場」以外の要素で中国企業を説明した分析をあまり見ません(ネット分野は変わってきた気がしますが)
この辺りは自戒もこめて、思考停止しないように気をつけていかないとですね特集「中国崩壊論」の崩壊、シリーズ2日目は、現代中国経済の専門家であり、日本人の対中観についても積極的に発言している神戸大教授の梶谷懐さんに登場いただきました。中国経済の崩壊論が広がる構造的な問題について解説してもらっていますが、同時に、近代以降の日本人の対中心理について「日本人は心理的に中国脅威論や、崩壊論に引っ張られやすいところがすごくあります。中国に対して思い入れの強かった人が、何かのきっかけで裏返しのように中国にネガティブな感情を抱くケースが多い」「中国に理想を見いだして近づいていき、その現実が理想とかけ離れていることに気づくと、自分が裏切られたと感じるところがある。だからブレが大きいのです。理想主義の裏返しの蔑視、そこから崩壊論が生まれてくる部分も大きい」というインタビューのなかの指摘が大変印象深かったです。ぜひご一読を。