VRが教育分野に普及するために解決すべき、3つの課題

2017/8/29
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
29日は、LIFE STYLE代表の永田雅裕さんが出演。「VR/ARは教育現場でどう使われているのか?その効果、今後の課題は?」(MoguraVR)を題材に、これからの可能性について解説しました。

VRと教育の親和性

サッシャ 今日は、「VR/ARは教育現場でどう使われているのか?その効果、今後の課題は?」というトピックにフォーカスです。
寺岡 解説してくださるのはNewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」の永田雅裕さんです。
永田さんは、Googleストリートビュー屋内版の制作を手掛けるベンチャー企業LIFE STYLEの代表でいらっしゃいます。
永田 おはようございます。
サッシャ まずは、ピックした理由について教えて下さい。
永田 VRと教育はすごく親和性が高い領域だと思っていたので、こちらをピックしました。
実際の学校では、まだまだ事例が少ないんですけれど、企業の教育実習でVRを使うことが増えてきています。
最近では、ケンタッキーフライドチキンが、フライドチキンをつくる工程に関する研修にVRを使っています。実際に研修施設や工場に行かずに、実習するケースが増えてきています。
サッシャ 教育というと、つい学校教育のことを考えてしまいますけど、社員教育も含めた教育になるんですね。
永田 はい。今後、学校教育における授業で考えると、例えば社会見学に行かなくても、教室の中で「海外がどうなっているか」を360度の映像や動画を使って、実際に体験してもらうことなどが考えられます。
サッシャ なるほど。世界遺産がどういうものかを見るとかね。
寺岡 永田さんは、「タイムマシン」と「どこでもドア」をつくることを目標として掲げているとのことですが、それに関連してVRでどんなことをされていますか?
永田 弊社では360度の空間やその時間をデータとして記録し、アーカイブ化することをしています。
例えば、熊本地震がありましたけれど、壊れている状況を残しておくことで、数十年後に被災地がどうだったのかを戻って体験できる世の中になるだろうと思います志、そういう分野で活用できると思います。
タイムマシンをつくるためには、空間データを記録し保存することが大事で、そこを手掛けている感じです。

普及における課題

サッシャ なるほど。教育分野にVRが活用されるまでには、まだ時間がかかりそうな感じですか?
永田 時間はかかると思います。そこには3つの理由があります。
一つ目は、そもそもVR・ARが認知されていないことが課題になります。二つ目は、VRのヘッドセットなどの機械がまだ10万円以上と高価なので、教育現場に取り入れるためにはハードルがあります。そして三つ目は、まだ教育に使われるコンテンツが世の中に出てきていません。
そのため、もっと知ってもらい、どういう活用ができるのかまで、世の中に広めていくことが重要なんじゃないかと思います。
サッシャ あと、子どもたちの視力にVRが影響するんじゃないか、没入感が強いから大丈夫かという議論もありますよね。
永田 その通りですね。2眼VRヘッドセットのガイドラインでは、13歳未満の子どもの使用は禁止されています。その辺が検証されて、問題が解消されると、もう少し教育現場に普及していくんじゃないかと思います。
サッシャ あとは、子どもたちが見て良い方法が発明されるとかね。
そんなVRやARですが、一般の人が体験できるおすすめの場所とかはありますか?
永田 今、手軽に体験できるアトラクションスペースが出できています。
最近では、新宿にバンダイナムコが「VR ZONE SHINJUKU」をオープンしました。「かめはめ波」を撃てたり、マリオカートを楽しめたりします。
そういうところに足を運んでいただいて、VRでどんな体験ができるのかを楽しみながら経験していただくのが、一番早いかなと思っています。
サッシャ 子どもたちが没入し過ぎちゃうくらいの没入感って、やっぱり楽しいですからね。永田さん、ありがとうございました。
永田 ありがとうございました。
※本記事は、放送の内容を再構成しています。
今回のニュースをはじめとした永田さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
30日はドットジェイピー理事長の佐藤大吾さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください