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注目のコメント
この原稿、執筆しました。表面的には、中国政府による「いつもの言論統制の魔の手が海外にも及んだ」と単純に読み解かれて批判を集めましたが、中国国内での報道を追っていくと、単にそだれけでは分からない話なのではないかという思いを強くしました。論文の削除→批判を集める→論文の復活というドタバタ騒ぎのなかで、ケンブリッジ大学出版局と中国企業とのタイアップが発表されています。http://finance.ifeng.com/a/20170822/15595255_0.shtml このあたりに、なぜ出版サイドが、削除という中国からの無理筋な求めにもいったん応じてしまったのかの理由の大きな部分があるように感じます。そして、それは間違いなく、ケンブリッジ大学出版局のみの問題ではない「特殊で巨大な中国市場」にどう向き合うかという現代社会の普遍的な問題をはらんでいると思います。
要するに中国の圧力にケンブリッジ出版局が一旦は負けた屈したということ。学問の自由という原理原則が政治的パワーによって歪められ、ひいては歴史認識を歪める原因になるのは明白だ。中国の論理はむちゃくちゃだ。これまで数十年に渡って科学的手法・作法をいいだけ西欧や日本からまなびとっておいて、いざ自分らが力をつけてきたら、自分らの論理に引き込み従わせようとする。西欧や日本で科学的手法・作法を身につけた中国人が中国でなんらかの科学的価値を創造できる存在になったからといって、もう西欧や日本のやり方を無視して良いとはならない。科学は人類の共有資産であり、ただのように見えてただではない。利害で物事を(が)決めるビジネスでは中国のルールを受け入れるということをやるかもしれないが、長い目で見ると日本(や各国)の国益に叶う行為かどうかははなはだ疑問だ。
情報統制を強めているようで、中国は、いま日本文化ブーム。ベストセラー書に東野圭吾の小説に加えて、「人間失格」(坂口安吾)が並んでいる。
振り子の振幅は小さいよりも大きいほうが、実際のビジネスは拡大していく。お互いの認識が深まることで、水面下では、どちらも歪んだ歴史にニュートラルに接するようになってきているのではないか、というのが、
ここ1年、中国でビジネスを進めてきた私の実感だ。
イギリスらしい、懐の深い対応だと思うのは、読みすぎだろうか?