【図解&イベント】人とITで「業務を最適化するBPO」とは

2017/8/30
社会のあらゆる領域でデジタル化が進む現在、ビジネスにおいても「デジタルトランスフォーメーション」が推進されている。
だが、業務プロセスの改革には課題も多い。デジタルへの変容がもたらすインパクトと、それを実現する手法としての「BPO」についてひも解く。
トランスコスモスが提供するBPOの最先端について、そして9月13日・14日に開催される国内最大規模のBPOイベント「BPO Forum 2017」について、同社常務執行役員の内村弘幸氏に聞いた。

既存業務の改革をBPOで実現する

内村:BPOは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の名のとおり、お客様にとって必ずしもコアではない業務を外部に任せることで、コア業務に集中していただくためのサービスです。
いわば経営に対して、コスト面・効率性を最適化することで利益を創出するビジネスであり、トランスコスモスはBPO国内最大手として、これまで上場企業を中心に数千社を超える顧客の業務を請け負ってきました。
バックオフィス(人事・経理・総務・情報システム・開発・設計など)からフロントオフィス(営業・マーケティング・サポートデスク)まで、あらゆる部門がわれわれの対象領域であり、業務を改革するための「メソドロジー」と、その改革を支える「システム」を一貫して提供しています。
トランスコスモスのBPOが“派遣社員”と決定的に違うのは、業務プロセスを改革し、最適な運用が実現可能な点です。
トランスコスモス株式会社 常務執行役員 BPOサービス統括 副責任者 内村弘幸氏
私たちのミッションは、「お客様の事業基盤の強化に向けた変革を支援すること」です。
お客様がそれまで対応されていたプロセスを、どうすれば最適化できるのかを徹底的に突き詰め、事業基盤強化に貢献できるようアップデートし続けてきました。
具体的には、請け負った業務の棚卸しを行い、運用フローを見直しながら課題を抽出し、何がボトルネックになっているのかを突き止め、ITツールを活用し、BPR(Business Process Re-engineering)を行います。

アナログ業務を可能な限りデジタルへ

現在、世の中のビジネスはどんどんデジタル化されています。しかし、どんな大企業であっても企業活動のベースは人であり、その行動の積み上げです。
表面的にはデジタルで連携しているように見える業務システムも、裏側では人の手でアナログに処理しているプロセスが珍しくありません。
一方で、最近は顧客接点に近いところ、取引先に近いところほどスピードが求められているので、デジタル化に強い関心を寄せているお客様が増えています。
しかし、顧客接点に近い企業活動を行うフロントオフィスのデジタル化が進む一方で、ミドル・バックオフィスは、旧態依然とした業務プロセスが残っているケースが大変多いのも現状です。
企業内部の業務プロセスは、“長年続けてきたやり方”の慣性が強く働きます。だからこそ、第三者であるわれわれがBPOで業務を請け負うことで、そのプロセスを根本から見直し、変革することができます。
たとえば、昨年からご提供しているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による効率化は、特にこれまで人が処理していた定型業務で大きな威力を発揮します。
RPAを活用するためには業務プロセスについての深い理解はもちろん、そのプロセスをどういったツールでどのように効率化するかというアルゴリズムを組み立て、フレームワークに収めるスキルが必要です。
トランスコスモスは長年にわたるBPOの実績と経験があり、「メソドロジー」と「システム」を一体で効率化してきた積み重ねがあるからこそ、RPAでも力を発揮できます。

「BPO Forum 2017」に向けて

デジタル化の加速は、コミュニケーションの可能性を広げ、グローバル化の加速も促すでしょう。海外の文化や価値観を取り込んでいくなかでは、企業活動は複雑化していきます。
企業のデジタルトランスフォーメーションが進むなかで、BPOへの期待はこれまで以上に高まっていることを感じています。
少子高齢化で働き手が減っていくのに加え、働き方を見直して残業を減らす動きも活発化してきました。これまでと同じ仕事の仕方をしていたのでは、ビジネスは維持できません。
AIなどの先端テクノロジーを活用した部分最適はベンチャー企業が得意とするところです。しかし、実際の業務プロセスは、デジタルとアナログの要素を含んだ複雑な集合体であり、その全体を包括してサポートできる企業はそうありません。
コンサルティングからオペレーションまで、高いレベルでシームレスに提供できる企業は、トランスコスモスだけだという自負があります。
昨今、業務プロセスにおけるRPAやAIの活用は、多額のコストがかかるわりに期待通りの効果が出ないという状況が散見されます。どのようにして結果に結びつけていくのか、今年のBPOフォーラムでご紹介したいと考えています。
BPO業界最大規模のイベントが今年も開催。「Digital Transformation」をテーマに、トランスコスモスが長年培ってきたオペレーショナル・エクセレンスとデジタル技術のハイブリッドな運用による、企業の変革を支えるBPOサービスを紹介します。
(編集:呉 琢磨、デザイン:九喜洋介、構成:加藤学宏)