【エンジニア求人】 クックパッド出身CTOが作る教育プラットフォーム

2017/9/5
アダプティブ・ラーニングによる教育のパーソナライズ、PBLによる学校での学び方の変革を支援してきたClassi。新たに提供するプラットフォーム構想で学校教育をどう変えていくのか。Classi副社長の加藤理啓氏とCTOの佐々木達也氏が、日本の教育を変えるためになそうとする役割を語る。
※PBL(Project based Learning)=プロジェクト学習。目的や成果物があるプロジェクトを実践しながら、知識・スキル、思考力・判断力・表現力、主体性・協働力などを習得するための体系的な教育手法。
教育をプラットフォーム化する
──21世紀型の教育を実践していくために、PBLなどのアクティブ・ラーニングを支援するツールを提供しているのがClassiです。Classiがこれからの教育で実現したいことを教えてください。
加藤:Classiがサービスを提供して3年。「アダプティブ・ラーニング」と「PBL」という両輪で、全国の高校の40%に相当する2000校以上にサービスを提供してきました。
「アダプティブ・ラーニング」では、基礎知識学習のパーソナル化を実現。これまでの一方的な講義型ではなく、ITを使って生徒それぞれに合わせた方法やレベルで学び方を選択できるシステムを導入しています。
また、アダプティブ・ラーニングにより効率的な時間の使い方ができるようになり、そこで生じた時間をこれからの時代に必要な力の育成にあてられます。
──8月から新たにスタートした「Classiプラットフォーム」というサービスは、どのようなものですか? 
加藤:ClassiのIDひとつで、さまざまなサードパーティの教育サービスを簡単に利用できるプラットフォームです。サードパーティであるパートナーと協力し、ITの力で課題を解決することが、Classiのプラットフォーム化で実現できるようになりました。
今回、先行して提携したのは5社。英語を動画教材で学ぶ「English Central」、CNNで生の英語を学ぶ「CNN ENGLISH EXPRESS」、協同学習ツール「School Takt」、プログラミングの「Monaca」、そして部活コーチングの「SPLYZA Teams」です。
一番のポイントは、それぞれのサービスがClassiのIDひとつで利用できることです。先生自身の情報はもちろん、生徒の情報の登録や管理などの手間も省ける点が使いやすくなっています。
──アプリケーションを提供する企業、特にベンチャーにとっては、魅力的なプラットフォームですね。
加藤: Classiプラットフォームを利用することで、さまざまなベンチャーが80万人近いユーザーにサービスを届けることができます。
このようなプラットフォームを通してサードパーティを育て、教育のエコシステムを形成していきたいとも考えています。サードパーティとのパートナーシップを充実させながら、学校教育現場に立つ先生方を心から信頼し、全力で支援していくこと。それがClassiの存在価値です。
IT×教育で日本の未来を変える
──佐々木さんはこのプラットフォームを支えるCTOとして、どのような思いでClassiの開発に関わっているのでしょうか。
佐々木:私は新卒でアドウェイズのSEとしてキャリアをスタート。その後、クックパッドでデータ分析などを担当した後、ベンチャーをいくつか経験し、Classiには業務委託で2年半ほど出向していました。
以前はプログラミングを書くことが中心で、少人数でやるほうが効率的だと考えていました。ただ、少人数での仕事に限界も感じていて、次はチームとして大きなことをやりたいと考えるようになったんです。
Classiはベネッセとソフトバンクという、大企業と大企業の合弁会社。大きな会社の一員としてチームでやる仕事の魅力を感じるようになりました。
また、最近は子どもが生まれたこともあり、教育という分野での仕事にやりがいを見いだしたこと、そして一緒に働くメンバーにひかれたのが、Classiへの転籍を決めた理由です。
8月25日に開催されたファンミーティングでは、学校の先生たちとこれからの教育について交流を深めた
教育現場はアナログな部分が色濃く残っていて、社会の変化から取り残されやすい業界です。そこにITを導入することで、よりコミュニケーションが取りやすい世界に変えていきたいと思うようになりました。
Classiの開発の一番のやりがいは、自分たちが提供するサービスが日本の未来のためになっているということ。それが単純にうれしくもあり、社会的意義も実感できます。
教育を自らの手で変えていく
──Classiのエンジニアには、社会的意義を感じられるのが魅力ですね。
佐々木:だからこそ、日本の教育を自分たちの力で変えていくという大きな目標に共感してくれる人と一緒に働きたいですね。
技術は目的ではなく、あくまでも教育を変えるための手段。先生からあがってくるさまざまな課題を、我々の技術で解決していきたいですね。ITの力でできることはまだまだあるし、もっとよくできると感じています。
先生側は主にタブレットで、生徒は個人のスマートフォンでClassiを利用する
加藤:教育のプロである先生への信頼。そこが我々のスタート地点です。先生を代替するシステムをつくるのではなく、支援することに全力を注ぎたい。教育を効率化し、先生が本来持つプロとしての力を最大限発揮できるように支援をすることを目指しています。
佐々木:先生を信頼するスタンスを保ちつつ、見えない部分にClassiの技術を加えることで教育全体のクオリティをあげていく。それがClassiの開発だと思います。
教育のど真ん中は学校
加藤:最近、よくやく、教育×ITを意味する「EdTech」という言葉が定着し始め、エンジニアの活躍の場があると認知され始めてきました。しかし、学校教育の場がEdTechの本丸だと認識している人は、ほとんどいないのが現状です。
佐々木:EdTechに興味を持っていても、Classiのように学校という教育のど真ん中で、影響力のある仕事ができることを知らないエンジニアがほとんどでしょう。学校をよりよくすることで、日本の未来をつくる。そこに自分の力を発揮できるのは、大きなやりがいになると思います。
加藤:小中高だけで10兆円を超える学校教育市場では、1300万人の子どもが学んでいます。Classiはユーザー数では圧倒的No.1の約80万人を抱えています。今後は、早々に高校数のシェア50%となる2500校、生徒数では100万人を超えていきたい。まだまだこれからの成長が見込めるマーケットとしても、エンジニアにとって魅力的な市場だと思います。
我々はクラウドでつながり、プラットフォーム化を推進することで、Classiが教育課題を解決する力をより大きくしていきたいと考えています。
そこにエンジニアとしてのスキルを試すやりがいと、社会に貢献する喜びを感じられる人に、ぜひ仲間になってほしいですね。
(構成:久川桃子 撮影:北山宏一)