国内ベンチャーのEXIT動向をみる
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2016年に東証マザーズに上場した会社は54社ありますが、それらの上場時の平均時価総額は66億円、新株発行による調達額の平均は7.5億円です。この規模感をシリコンバレーのスタートアップに照らし合わせて考えてみると、アーリーステージからミドルステージと呼ばれる段階のスタートアップの規模感に該当すると言えます。あくまでもアメリカの市場との比較ではありますが、日本のスタートアップは相対的に早い段階で上場していることが見て取れます。世界的に見ても、日本の市場は上場に向けたハードルが低いユニークな市場と言えるでしょう。
この事実をただちに肯定的・否定的に論じることはできません。アメリカではプロフェッショナルなベンチャー投資家が担っている資金供給の役割を、日本においては一般投資家が担っているということであり、事業がまだ成長段階にある若い企業を、一般の投資家が支える土壌が整っていると見ることもできるでしょう。
いずれにせよ、特にIT系のスタートアップであれば遅かれ早かれ国外の企業とぶつかることもあるわけで、綺麗事ではなくIPOを機に、より一層の成長を図っていかなければならないのだと思います。今回はentrepediaのデータを利用し、国内ベンチャー企業のEXIT動向のファクトをまとめました。
entrepediaは日本最大級のベンチャー動向データベースです。リサーチャーがベンチャーに関する様々な公開情報を情報源として作り上げています。
本レポート執筆にあたり、これまで見てこなかったベンチャー界隈の情報を見ましたが、とにかく面白い企業が多い。今後も追いかけていきたいです。
【追記】
騰落率のデータに一部誤りがございましたので、修正を致しました。申し訳ございません。
【追々記】
図表「国内ベンチャーEXIT」の「買収・子会社化・主要株式取得、事業譲渡」の件数を買収元企業が確認されないデータを含めるものへアップデートしております。スモールIPOや「上場ゴール」などが批判されますが、事業会社によるM&Aが少ない日本において、重要な出口の役割を果たしていると言われます。出口がないと起業意欲も高まらないし、リスクマネーも集まらないので、一定の役割を果たしていると思っています
ただ、事業会社に買われる方が、買収した企業のリソースを使って成長が加速したり、他サービスとの組み合わせでサービスの魅力がアップしたり、強い会社がどんどん強くなるという作用もあるので、ベンチャーが小規模分散で乱立していることの機会損失は社会全体では大きい気はしています
ようやくCVCが増えたり、事業会社のM&Aも増えてきましたが、もっともっと増えるといいな、と感じます