“カロリーベース”の食糧自給率にこだわることで生じる問題点
コメント
注目のコメント
2016年度のカロリーベースの食料自給率は38%に下がりましたが、世界の国々が普通に使う生産額ベースの自給率は68%に上がっています。
後者は他国と比べて極端に低いわけではなく、今回の発表を安心材料と見ることも出来るはず。
とは言うものの、だから安心しろと言いたいわけではありません。カロリーベースの自給率に拘ると、生産額ベースの自給率すら維持できなくなる虞があるのです。
カロリーベースの自給率を使う本質的な問題点は、付加価値の高い野菜や果物、畜産物等の価値が貶められること。高い値段で売れるがカロリーの低い商品作物を作るより、カロリーの高いコメを作れ、という指標だからです。
農産物の自給率を支えているのは高齢化した農業従事者です。食糧の安全保障を考えるなら、若い人たちや企業が喜んで農業分野に参入する環境を整えることの方が重要です。
そのために必要なのは農業を儲かる産業、消費者が好んで買う競争力の高い農産物を生産する産業に育てること。カロリーベースを離れ、農業が生み出す付加価値に注目すべきと考える所以です。「食料自給率」というモノサシが何を意味しているのか、経済評論家の辛坊正記さんにお話いただきました。
他の国々が使っている生産額ベースでみれば68%で、ドイツやスイスなどと同じぐらいなので目立って低いわけでないとのこと。でも、そこで安心していいわけではない、という辛坊さん。偏ったモノサシで測ることにこだわりつづけると、どんな問題があるのか、その説明を聞いてサッシャさん・寺岡さんも思わず「なるほど……!」と感嘆されていました。辛坊さん、J-WAVE STEP ONEへのご出演ありがとうございました。食料自給率の実態、知れば知るほど疑問の湧いてくるお話でした。
カロリーベースの自給率と生産額ベースの自給率、まずはこの違いを知ること。また、その裏にある意図を読み解くこと。これから若い世代が日本の農業に希望が持てるように、しっかりと周知していかないといけないですね。大変勉強になりました!