新時代の論客が語る、日本人の労働のここがおかしい

2017/8/7
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第97回は、今、世界中から注目される新世代の論客、ルトガー・ブレグマン氏が登場する。
歴史家であり、ジャーナリストの29歳のこの論客は、広告収入に頼らない先駆的なジャーナリストプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創立メンバーでもある。
日本でもベストセラーになっている5冊目の著書『隷属なき道』(文藝春秋)は世界17カ国で出版され、BBCやワシントン・ポストなどのメディアから取材が殺到している。
ブレグマン氏の主張は明確だ。今後人間はAIとロボットとの競争には勝てないとし、新時代を生き抜く処方箋として、「人々にただでお金を配ること」と「週の労働時間を15時間にすること」そして「国境線を開放すること」を標榜する。
また、GDP一辺倒の経済成長指標はおかしいと喝破し、先進国の人間は仕事観や生きる目的を見直すべき時期に来ているのではないかと指摘する。
日本での著書の出版に際し今年来日したときに見た、日本人の過剰サービス、満員電車、そして「まるで旧ソ連のような仕事」などにも厳しい批評眼を光らせる。
では、世界で大きな共感を呼んだ、人間が機械に隷属しない生き方、働き方とは? ブレグマン氏が住むオランダを訪ねて聞いた、歯に衣着せぬ直言が満載のインタビューを5回連続でお届けする。