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僕は北海道の幌延に行ったことがある。東京タワーを逆さまにしたような333メートルのエレベータで降りた。さらに地底まで17メートルを鉄梯子で降り350メートルの地底に達した。そこから放射線状に横穴があり、それも見た。よくできているなと思った。フィンランドのオンカロと同じようなものなのだろう。
しかし幌延はあくまでも、穴を掘ってみせるという模型・実験施設に過ぎない。それが地元の了解事項なのだ。
仮に我われは今後、原発を続けるなら、その条件は“適地”ではなく、オンカロのような施設を受け入れると同意する自治体、つまり“人ー民意”の存在である。すべての自治体が拒否するなら原発はやめるしかない。65%の適地をひとつひとつノックしても、そこに住む人がドアを開けなければつくれない。たぶんノックして歩いていれば時間が稼げるからその間、原発の稼働はできる。たがそれはツケを後回しにする欺瞞である。
日本人は何も決められない国民なのではないか。
追記。東京だと、もし万が一があったときに大変だから、人口が少ない地方へとかいう論理は本当におかしいと思っています。
原発再稼働の問題もそうなんですが、絶対に安全だからという安全神話で押し通すのではなく、事故がおこる可能性がわずかでもあるならそれをきちんと説明し、そのためにどんな対策をとっているかを隠さず説明する。そこが
始まりだと思います。東日本大震災で想定外が想定外でなくなるときもあることを多くの人が学んでいます。地球温暖化の問題も大事で、確かに繋がる部分もありますが、この最終処分場の問題はまた別の問題。不用意にリンクさせるべきではないと思います。
「廃炉」と聞けば,1Fに残された燃料デブリを取り払い,1Fをソフトランディングさせることのように,狭く考えてしまいがちだったのですが,なお増えている汚染水と放射性廃棄物の処理までを含み,1Fに残る全てを整理して初めて「廃炉」だと教えられました。
狭い意味で考えていると,廃炉は経産省と東電の問題のようにも見えてしまいますが,上記のように考えると国民全員が当事者となる問題のはず。かといって,従前のように,受け入れ自治体が手を挙げる方式では,手を挙げる首長は相当選挙に強い人に限られるでしょう。だからこそ,このように核ごみマップを作成し,保管に適した候補地を絞り込んで国から打診する方式に転換したことは妥当だと思います。
が,次は打診された候補地の首長と議会,ひいては有権者の問題。やはり国民全員の問題になってくるのだと痛感します。
核廃棄物は半永久的に消滅することはありません。
とはいえ、どこかに負担を強いなければなりません。
以前から考えていたのですが、原発とか各廃棄物処理場とかは、国が決めてその周辺地域の住民には何倍もの補償をして立ち退いてもらうしかないと思います。
居住移転の自由は憲法で保障されていますが、止むを得ない措置です。
こういうことを言うと、娘から「功利主義的発想だ」と責められますが、国や地方公共団体は功利主義的でなければならない場合もあります。
もちろん、人身の自由や表現の自由は多数決で決めてはなりませんが…。
マップが見られるNUMO(原子力発電環境整備機構)のページはこちらです。
http://www.numo.or.jp/kagakutekitokusei_map/detail.html
弊社、ブランドデザインチームが担当した広告記事ですが参考になると思いました。
「【竹内・吉田・増田】「核のごみ問題」をどう解決すべきか」(NUMO NewsPicks Brand Design、7月20日付)
https://newspicks.com/news/2316707
それはともかく、国営事業と民営事業の境界線を、安易にあいまいにしてはいけない。
自動車メーカーが、廃車や廃部品、廃型を捨てる「車ごみマップ」を発表したらどう反応する。宇宙ロケット企業が、宇宙空間にゴミを放棄し始めたらどうする?
なによりも、コメントの多くが、生産手段の国有化や財産権の制限を認めるという趣旨のようで恐ろしい。
哲学者の内山節さんの指摘です。目先の部分最適と帳尻合わせに腐心していてはいけないと。長い時間軸で見なければいけないと。私としては、原発の問題の深刻さは国策民営の矛盾が人類の未来にまで波及していることだと考えます。