(Bloomberg) -- ビットコインなどの仮想通貨を現実の世界でどのように利用するのか。繰り返されるこの問いに、シンガポールの新興企業テンXが出した答えは「ビザ」カードだ。

テンXは複数の仮想通貨をドルや円、ユーロといった通貨に即座に両替することができるデビットカードを売り込んでいる。すでに1万枚を超える受注があるという。取引は年2000ドル(約22万円)までと制限されるものの、認証手続きをすれば増額申請も可能だ。

テンXは、カフェやレストランで仮想通貨が使えるようにするため、ビザカード連動のデジタルウォレットとして機能するアプリを開発。支払いは現地通貨で行われ、その分だけ利用者の仮想通貨残高から差し引かれる。例えば、利用者がこのカードを使いレストランで100ドルを支払う場合、テンXが2ドルを受け取り、残りの98ドルがビザ側に行く仕組みだ。

テンXの共同創業者ジュリアン・ホスプ氏はインタビューで、取引は直ちに処理され、仮想通貨を現実の通貨に交換する際には仮想通貨取引所が設定している手数料のほかに一切の費用は不要だと説明。現在は8つの仮想通貨に対応しており、あまり知られていない「ダッシュ」や「オーガー」も利用できるという。

テンXが処理しているのは現時点で月間10万ドル程度。2018年末までに月1億ドルの取引、そして利用者100万人を目標としている。

原題:Singapore Startup Takes Bitcoin Into Real World With Visa (1)(抜粋)

: 東京 Fumihiko Kasahara fkasahara@bloomberg.net.

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