【日本人教授】なぜ、イェール=シンガポール大に魅せられたのか

2017/7/25
留学生×NewsPicksによる現地報告の第2回。米国イェール大学とシンガポール国立大学が共同で設立したYale-NUSカレッジで教鞭を執る2人の日本人教授や大学当局者の視点から、この大学が持つ面白さとリベラルアーツの意義について語ってもらった(第1回はこちら)。

ロンドン大からYale-NUSへ転籍

「アジアで活躍したいなら、必ずしも欧米に行かなくてもいい」
そう話すのは、Yale-NUSで2016年の夏から教え始めた島津直子教授だ。
オックスフォード大で国際関係学の博士号を取得し、投資銀行を経て、ロンドン大学の教授を20年間務めたというキャリアを持つ。
エリート街道を突き進んで来た島津教授でも、イギリス社会に完全には溶け込めず、「ガラスの天井」に突き当たった。「あんなに長い間イギリスにいても、最終的には外部者。それがすごくフラストレーションになっていた」と振り返る。
優秀な教授や研究者たちにとって、学問の最高峰といえばアイビーリーグやオックスブリッジだったが、最近はアジア諸国も魅力的な拠点となっている。
「特にシンガポールには面白い研究者が集まって来ている」と島津教授は話す。
海外から教授と学生を引きつけるYale-NUSでは、学生の4割を海外50カ国からの留学生が占め、全寮制で生活を共にしている。