【落合陽一×林千晶】我々は“解決先進国”を目指さねばならない

2017/7/28
日本の未来を考えるときに、欠かせないファクターがテクノロジーだ。自動運転、AR、VR、AI、ロボット、IoTなどのテクノロジーをどう活かすかによって、日本のかたちは大きく変わるだろう。“現代の魔法使い”である落合陽一氏は、どのように日本の未来を描いているのだろうか。「脱近代」という切り口と絡めながら、ロフトワーク代表の林千晶と語り合った。
*本記事は、NewsPicks×HIP 第7回「未来の東京」のイベント「テクノロジーとアートが変える未来の都市・落合陽一氏の考える理想都市とは」の内容を再構成したものです。
第一回:デジタルネイチャーは、仏教用語で説明できる
第二回:データさえあれば、今後の問題は解ける
平均値や最大公約数に意味はない
落合 結局、うちのラボがやっているのは、全員で同じ絵を見なければ、ダイバーシティが高まるんだということばかりやってきたわけです。他にも、任意の3D形状をアクチュエーションできるアクチュエーターの研究というのもありまして……。
林 アクチュエーターというのは?
落合 モーターですね。3Dプリンターでつくったものが動くなど、素材が動く研究をしています。
例えば現状、モーターを入れてウサギ型の耳のロボットをつくるというのは、なかなか難しいのですが、これをEnd to EndのAIでCGを設計し、それに最適構造を当てはめて変形可能な状態で出力すると、デジタルファブリケーションになって出てくる、ということが可能になる。
End to Endというのは論文ではよく使う言葉なんですけど、事to事、あるいは物to物のこと、Pixel to Pixelみたいなものも含みます。
つまり、間に人が決める特徴量などの理屈を挟まず、標準化も挟まず、ソフトウェアで個別最適にして行って問題を解決するという意味ですね。平均値や最大公約数に意味はないですから。
林 この技術は具体的には、どういうことに役立つのでしょう?
落合 これもやはり、人からは「おもちゃをつくるんですか?」とよく言われるんですが、人の代わりにロボットつくる、義手つくる、指つくる……といった話があった時に、大いにモノを言うテクノロジーなんですよ。アクチュエーターの問題が一番大きいですから。
これは当時東大の院生だった大嶋君と芝浦工大の岩船さんとやってたのですが、形の変形を微分幾何と有限要素法を用いた構造計算で解いて、CGでデザインした変形と自由度をもたらす動作機構を任意の形でつくり出すというものです。
林 難しい話題ですけど、つまり任意でつくった形のものをどう動かすか、AIがきちんと答えを出してくれるということですよね。