日本橋、上空の首都高地下化検討 景観改善、費用や技術面が課題
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これは何度も浮かんでは消えている情緒的な話。数千億ではなく1兆円どころかそれ以上かかるのでそこまでの費用対効果はない、と結論は出ています。2012年の報告書は、地元の要望があったので検討致しました、というもので、やりますとは書いてありません。
タルコフスキーの名作「惑星ソラリス」(1972 年)に首都高を走る映像があり、未来社会のシーンはなかなかシュールで、よくあの時点で少ない予算で工夫してつくったと思います。その精神を忘れてはいけません。いっときなりを潜めていた公共工事の大盤振る舞いを復活させてはいけない。高速道路撤去は世界の都市再生の潮流でもあり、ソウルの清渓川復元事業やロンドンのビッグディグなど多数ある。財源投資の意義やリターンに見合うのかなどの意見があるように大変難工事であり、ロンドンの事例では物価上昇も背景にあったが予算の5倍もかかり約1兆の歴史上稀に見る事業になった。ロンドンが素晴らしかった点は、単に局所的に撤去したスペースを公園化するだけでなく、周辺のマスタープランをしっかりと描き、行政が強い意志を持って主導していました。
局所的ではなく、長期的かつ広範囲にわたる再生構想を期待します。景観の改善は素晴らしいことだと思いますが、果たしてコストに見合うリターンが得られるのでしょうか。有限な財政資金の配分という点から考えると、他に優先して投資すべきものがあるような気がします。