中国モバイル決済、両社が90%支配

サンフランシスコを拠点として、企業がオンライン決済できるソフトウェアを提供するスタートアップ、ストライプ(Stripe)は、中国のデジタル決済大手2社と提携したことを明らかにした。これにより同社は、何億人もの中国人顧客にアクセスできるようになる。
ストライプの発表によれば、ストライプを利用する企業は今後、ウェブサイトでの決済方法として、アリペイ(Alipay)とウィーチャット・ペイ(WeChat Pay)も使うことができる。
ストライプでは、オンライン決済サービスのほか、セキュリティ対策、詐欺防止、会計処理、請求手続きなどに役立つツールも用意している。
ストライプの共同設立者でもあるジョン・コリソン社長は「アリペイとの既存のパートナーシップを深めることにより、かつては入り込めなかった中国の消費者市場に、世界中の企業が即座に入れるようにしている」と語る。
アリババ・グループ・ホールディングの子会社アント・フィナンシャルが運営するアリペイと、テンセント・ホールディングスのウィーチャット・ペイは、合わせて90%のシェアで中国のモバイル決済市場を支配している。
アリペイは5億人の中国人が買い物に利用しており、アリペイのモバイル・ウォレットは、すでに70の国際市場で10万を超える小売業者に受け入れられている。

設立7年で評価額92億ドルの国際企業

ストライプとの提携は、アリババがより多くの米国企業を引きつけることに役立つ。外国商品をますます求めるようになっている中国人消費者たちの欲求を満たそうとするアリババの助けになるだろう。
海外でのビジネスを拡大してきたアント・フィナンシャルは、米国の送金サービス会社マネーグラム・インターナショナルの買収に12億ドルを提示している。
また2017年5月には、米国の電子決済処理会社ファースト・データと提携し、アリペイのユーザーがファースト・データの米国内400万の加盟店で買い物ができるよう取り決めたことを発表した。
ストライプは設立から7年だが、評価額92億ドルのグルーバル企業に成長した。
同社の初期の顧客たちは米国の小規模なテクノロジー企業だったが、今では、アジアの国々を含む100カ国以上にユーザーを持つまでになり、フェイスブックやターゲット、メイシーズなど大手企業も仲間に引き入れている。
直近の2016年11月に行われたラウンドで調達した1億5000万ドルの一部は、国際的な成長を速めるための資金だった。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Selina Wang記者、翻訳:浅野美抄子/ガリレオ、写真:ipopba/iStock)
©2017 Bloomberg News
This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.