ドアダッシュが玄関先まで配達

アイスクリーム専門店を世界各国でチェーン展開するバスキン・ロビンスは、暑い真夏のさなかでも、アイスクリームを溶かさずに顧客の玄関先まで配達することは可能だと主張している。
同社がアメリカ国内に構える店舗のうちの600店以上が現在、フードデリバリー企業ドアダッシュを介して、アイスクリームやシェイク、サンデー、ケーキの宅配を行っている。
ダンキン・ブランズ・グループを親会社に持つバスキン・ロビンスは、このサービスのテストをロサンゼルスとシカゴにある約60の店舗で重ねてきた。そしていま、ニューヨークやダラス、サンフランシスコ、シアトルなど22都市の店舗が加わった。
バスキン・ロビンスでマーケティング部門のバイスプレジデントを務めるキャロル・オースティンは「顧客の二大ニーズは、便利さと即座に得られる喜びだ」と語る。「今日の顧客は、ほしいものをほしいときに手に入れたいと思っている」
多くのチェーン店がハンバーガーやチキン、ポテトフライなどの宅配に向けて動いている一方で、アイスクリームについては突破口を見出せない状態が続いてきた。ドアダッシュは現在、商品をそのままの状態で確実に届けるために、保冷バッグを使用している。
唯一の違いは、サンデーにはホイップクリームが添えられていないということだ。テストの結果、ホイップクリームは配達中に溶けてしまうことがわかったからだ。
オースティンによると、具体的な金額は明らかにされなかったものの、配達テストを実施した店舗では、売上の増加が見られたという。

マクドナルドはウーバーと提携

ダンキンの株価も、バスキン・ロビンスの売上増加による後押しを受けているかもしれない。7月5日の終値を用いると、同社の株価は今年に入ってから5.6%上昇してきたことになる。
これに対してS&P 500のレストラン株価指数は16パーセントの伸び率を示している。ちなみに翌6日のダンキンの株価は、0.6パーセント下がって55.07ドルの値をつけた。
マクドナルドも、デザートの宅配を手がけている。同社は2017年、ウーバーと組んで、全米各地に宅配サービスの提供を拡大していくと発表した。サンデーやシェイク、マックフルーリーなども、デリバリーサービスの対象となっている。
ただし、マクドナルドで販売されているのはソフトアイスクリームだ。それをさらに凍結させた通常のアイスクリーム(ハードアイスクリーム)は扱われていない。
バスキン・ロビンスの商品の注文は、ドアダッシュのモバイルアプリかウェブサイトから行う。配達料金は最低で2.99ドル、平均すると約5ドルかかる。
バスキン・ロビンスは、ドアダッシュの状況を見ながら、国内2500の全店舗にこのサービスを拡大したいと考えている。オースティンによると、ほかのサードパーティーとの提携を検討する可能性もあるという。
「サービスの拡大に向けてできることは何でもしたい」とオースティンは語る。「われわれは、すべての人にサービスを提供できるよう、努力している」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Leslie Patton記者、翻訳:阪本博希/ガリレオ、写真:© 2017. DD IP HOLDER LLC AND BR IP HOLDER LLC.)
©2017 Bloomberg News
This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.