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コメント
注目のコメント
「今こそ立ち上がれ」とタイトルにありますが、昔、立ち上がった若手官僚*の提言には、統合的な戦略策定の実現や、省益中心主義打破のための内閣による各省人事の一元化、などが盛り込まれていました。それらは、今、実現されています。方向性は正しかったのだと思います。
違う観点を2つ挙げます。ひとつは、多極の権力構造。日本では江戸時代です。政治は江戸、文化は京都、経済は諸大名。多極構造が安定を生むとうい論説があります。
政治の中で、政と官の緊張関係 - 根性で「NO」と言えとか、言えなければ面従腹背、などとやっていては変化の早い中でマイナスが大きくなるでしょう。
もう一つはリーダー像です。昨年から『応仁の乱』という書籍が話題になっていますが、強いリーダーが変革する、というのは本当にそうなのか。後付けや記憶の中の都合のよい解釈ではないのか。社会というのは複雑で、複雑なものは複雑に変わるのではないか。こういった課題意識の中から、コレクティブ・インパクトという方法論も生まれています。
関連することをブログにまとめています。ご参考まで。
http://kozatori7.hatenablog.com/?page=1498059412
*2003年に霞ヶ関の若手官僚が立ち上げた「プロジェクトK」官僚の力を弱めようとした歴代の首相たち。弱まった結果、リスクをとった官僚たちが表舞台に現れはじめました。ソーシャルの力がやはり大きいですね。
僕はこの方向はいいと思います。皮肉ですが、政治家のだらしなさが目立つようになってしまいましたね。TOKYO2020以降の断崖絶壁感をもう一度浮上させるためには内輪で争っている場合ではありません。官僚主導か政治主導かという議論はよくされますが、近年際立っている後者の試みは尽く失敗しているなあという印象です。
官僚というのは国家運営の要です。彼らの働きなしでは国はまわりません。その昔、中国でモンゴル系の清朝が明を滅ぼしたのですが、明代の官僚機構は維持したまま国を統治しました。漢民族から成る国を治めるのに官僚機構は欠かせなかったためです。上に立つ政治家は指示を出しますが、実際に事を動かすのは官僚です。だから極端な話、宇宙人が日本に襲来して閣僚を皆殺しにしたとしても官僚は生き残るでしょう。
旧民主党政権はあからさまに官僚を軽視し、基地移転などをめぐって外務省や防衛省官僚との間に軋轢が生まれ政権崩壊に至ったのは記憶に新しいです。確かに、政治家と違い選挙で国民の信任を得ているわけではない官僚が国を動かしているとなると違和感を覚える人は多いでしょう。理想論ではありますが、どっちが主導とかではなく、政治家と官僚の双方が信頼関係を構築し、きちんと意思疎通を図っていただきたいです。
僕は田中角栄元首相が大蔵大臣着任日に述べた訓示が印象的です。
「私が田中角栄だ。
ご承知の通り小学校高等科卒だ。
諸君は天下の秀才揃いで、財政のエキスパートだ。
しかし、私は素人ながらトゲの多い門松を
くぐってきたので、実際の仕事の要領は心得ている。
仕事を上手くやるには、互いのことをよく知る
ことが大切だ。
大臣室のドアはいつでも開けておくから、
上司の許可は得なくても良いので話に来てくれ。
出来ることはやる。出来ないことはやらない。
仕事は思いっきりやってもらいたい。
責任はこの田中が持つ。以上。」
こんな豪快なセリフを吐ける人はそういないと思いますが、真に政治主導を目指すのなら硬直化した現在の官僚組織を抜本的に改める必要があります。官僚が省庁の中だけで動くのではなく、もっと官民を流動的に動くなど、前回のトライセクターというのは理想的な方向性だと考えます。