[東京 28日 ロイター] - JT <2914.T>は29日から火を使わない新型たばこ「プルーム・テック」の東京での販売を開始する。加熱式たばこ商品は、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)<PM.N>の「iQOS(アイコス)」が先行しているが、においの少なさや健康懸念物質の99%低減などメリットを伝えていくことで、巻き返しを図る。

銀座と新宿など都内繁華街で専門店をオープン。7月10日には都内6区のたばこ販売店100店舗で販売を開始、年内には東京全域に広げることを計画している。「プルーム・テック」のデバイスは、昨年末までで25万台を販売。これに対し、アイコスは昨年末で300万台を突破している。

佐々木治道専務執行役員・国内たばこ事業プレジデントは28日の会見で、巻き返しを図るにあたって「プルーム・テックのメリットをどう伝えるかが重要」と指摘、「来年に向けてきっちりと挽回していきたい」と述べた。また、非喫煙者と喫煙者が「いかに共存していく社会をつくるかが最大の使命だ」とも話し、紙巻きたばこは吸えないが、プルーム・テックは吸うことができる飲食店などを広げる方針を示した。先行販売していた福岡市では30カ所のオフィス、80カ所の飲食店で禁煙ながらプルーム・テックを吸うことができた。東京都内でもすでに、120カ所の飲食店から賛同を得ているという。

「アイコス」、「プルーム・テック」に続き、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)<BATS.L>も、昨年12月から仙台市で販売していた「glo(グロー)」を、7月3日から東京都・大阪府・宮城県全域に拡大する。2017年末までには全国展開する予定だ。

佐々木専務は、たばこ総市場に占める加熱式たばこの割合が今年末で15%、2018年には25%に達するとの見通しを示した。

(清水律子)