首相「獣医学部を全国に」 加計ありき、重ねて否定
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特例を一般化しては、特例でなくなる。目礼の積み重ねで、なし崩し的に制度を変更すると一体性や一貫性が壊れるので実務が混乱する。
行政主導の制度変更を安易に許すと事実上の法律改正に相当し立法権の独立性を否定することなりはしないか?新しい利権創出のために特区制度を利用したに過ぎないのでは?という本件への最もベーシックな問題提起に対するアンサーなのだと思う。
ただ、以下の問題が詰められているかはチェックすべき点。
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1) 獣医を増やす上では、飽和状態の小動物分野を除いた産業獣医・公共分野に従事する獣医の待遇が極めて低いという問題がある。その待遇改善の目処がないまま放埓に供給を増やすことで高学歴ワープアの量産につながるのではないか(既にボロクソに言われている法科大学院問題と類似の問題ね)、という懸念。
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2) そもそも日本の獣医学教育の問題として、既存の大学における教育体制が諸外国に比して著しく薄かったという問題があり、それを既存大学の整理再編という形で解決しようという試みがまず行われた。それが既存大学や自治体のエゴにより挫折した結果新設獣医学部を特区で実現しようかという話が進められた経緯があるわけだが、そこでいけば新設獣医学部一校の次に進められるべきアクションは、既存大学における獣医学教育体制の整理再編であるはずではないだろうか。
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1)の公共分野の獣医待遇の改善にメドもなく、2)のようにただでさえ既存大学の教育体制が薄い中に新設ラッシュを行なって不要なレッドオーシャン化を進めて一体どうするのだろうか。
上記は別に野党主張から引いたわけではなく、むしろ加計を応援する立場の専門家が提示している論点から考えたものである。
(↓参考としては以下など)
https://newspicks.com/news/2323269/
https://www.tbsradio.jp/149361
上記の懸念に対し特にケアがないまま新設を進めていくと打ち出したのであれば、安倍ちゃんにはこの分野の課題など何一つ分かっておらず、単なる政局と自己弁護の観点しか持ってないのだろうな、と思わざるを得ない。ちょっと罪深くないか?
〈追記〉
要るの要らないの議論が空中で戦わされている中で、もっとも胸を痛められているのは産業分野獣医の方々ではないかと思う。この議論を行う上では産業分野で懸命に働く獣医の皆さんへの敬意を持たなければならないわけだが、その意味で見ておくと良いドキュメンタリー映画を紹介する。
http://www.teny.co.jp/yumeushi/
「夢は牛のお医者さん」