【無責任銀行ジャパン大賞2017】気候変動を悪化させる日本のメガバンク
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注目のコメント
これは辛辣。
欧州の金融機関であるドイツ銀行やアクサなどは、近年石炭投融資の停止・撤退(ダイベストメント)に舵を切っています。環境先進国の欧州勢だけでなく、米国金融機関のGSやBAMLなども、再エネへの投融資を増やしたり、所内の使用電源を100%再エネにする方針です。
これらはパリ協定への対応/環境対策ということだけでなく、オールドテクノロジー/インダストリーにベットし続けることは、超長期には企業のビジネスリスクを増大させるという判断があってのものです。
そんな中、日本の今更の石炭推しは、ビジネスのピボット(方針転換)が苦手な日本的というか、周回遅れで、多くの人が眉間に皺が寄せる不思議な戦略です地球温暖化問題に関連して、二酸化炭素排出原因企業から融資を引き上げる運動をダイベストメント(divestment)といいますが、パリCOP21を境に、この運動が世界で急激な盛り上がりを見せています。
特に石油火力発電に対する融資は温暖化の元凶として、国際的に厳しい視線に晒されており、各国の銀行は石炭火力発電所建設及び採掘事業への融資の停止、引き上げを定めたParis Pledge(パリの誓い)に次々と署名、賛同しています。
元々石炭産業への融資は欧米と中国が殆どで、日本の銀行は三菱東京UFJが17位くらいと、国際的には大した量ではありませんでした。
ところが今までダントツの融資先だったモルガン・スタンレーやシティバンクがParis Pledgeへの賛同を決めたことで、下位だった日本のメガバンクが一気に国際的な悪役になってしまったのです。
一方で日本は東日本大地震後の原発停止によるベース電源不足を賄う為、石炭火力発電所を増設せざるを得なったことも、融資額を引き上げる大きな原因になりました。
その意味で実は止むを得ない面がかなりあるのです。
しかし、国際的な流れを見誤れば、このように反社会的企業のレッテルを貼られる危険性があるということに、メガバンクのみならず、日本企業は十分注意していく必要があります。リーマンショック以降、プロジェクトファイナンスは邦銀メガバンクが主戦場と位置付けてきただけに、毎年リーグテーブル上位を占めてきました。
ドライブをかけてきただけに、環境問題への影響などへの配慮が欠落していた可能性はあります。
ESGに関する問い直しが必要だと思います。