【深層】競合企業の幹部が語る、アマゾンが「食品」を狙う理由

2017/6/22
米アマゾンによる高級スーパーマーケット、ホールフーズ・マーケットの買収の狙いは何か。日本でもスーパーに手を出すのか。特集の第2話では、有機野菜宅配大手、オイシックスの執行役員で、チーフ・オムニチャネル・オフィサーを務める奥谷孝司氏に今回の買収を分析してもらった。

食品はアマゾン唯一の弱点

──アマゾンはなぜ食品スーパーのホールフーズ・マーケットを買収したとみていますか。
簡潔に言うと、食品の攻略がアマゾンの今後の成長の鍵を握っているからだと考えています。だからこそ、アマゾンが手がけた買収の中で過去最大の約1兆5200億円もの大金を費やしたのでしょう。
アマゾンが買収するホールフーズ・マーケット(写真:anouchka/iStock)
アマゾンは、米国で本のオンライン販売から始まった会社ですが、現在は服や家電など、あらゆる商品を取り揃えています。何か欲しいものがある時、まずアマゾンのサイトで検索するという人は多いでしょう。
しかし、アマゾンが唯一、成功していないのが食品です。
アマゾンは米国と英国、そして日本で「Amazon fresh(アマゾンフレッシュ)」という食品の宅配サービスを展開していますが、収益面では苦戦していると思います。