[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日に発表した5月貿易統計速報は、貿易収支が2034億円の赤字だった。赤字は4カ月ぶり。原油価格の上昇などで輸入の伸びが輸出を上回った。ロイターの予測中央値は760億円の黒字だった。

輸出は前年比14.9%増の5兆8514億円で、6カ月連続の増加。増加品目は自動車(8.2%増)、鉄鋼(20.0%増)、船舶(42.0%増)など。伸び率は2015年1月の16.9%増以来となったが、「(昨年の)熊本地震からの反動増の一面もある」(財務省幹部)という。

地域別の輸出は米国向けが同11.6%増で、3000cc超の自動車などが伸びた。中国向けは同23.9%増だった。

一方、輸入は前年比17.8%増の6兆0547億円。5カ月連続の増加。寄与した品目は液化天然ガス(68.6%増)、石炭(74.7%増)、原粗油(17.0%増)など。

輸入が増えたのは原油価格の上昇が一因。原粗油の輸入実績によると、数量ベースでは前年比13.5%減だったが、金額は5275億円と前年比17.0%増となった。輸入通関単価は、円建てで1キロリットル当たり3万7777円と前年比35.3%増。

5月は例年、大型連休の影響で輸出が伸びにくく、他の月と比べると赤字になりやすい一面もある。

(梅川崇 編集:吉瀬邦彦)