日本の未来を創るエリートに必要な教養とは

2017/6/19
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第88回(全5回)は、本コーナーで定期的に掲載予定の「超一流を創る、中高教育」の第一弾として、麻布中学・高校の校長の平秀明氏が登場する。
麻布学園は1895年、自由民権運動に共鳴し、自由党の板垣退助などと共に遊説した政治家で教育者の江原素六氏によって設立された学校だ。
「青年即未来」──。江原氏が掲げた教育理念は、青年こそが未来の扉を開くというもの。その根底にある思想が、自由主義だ。
勉強はもとより、部活動や文化祭などの活動も、生徒の自主、自立に委ねる。そして、勉強はことさらに大学受験を意識せず、人文科学、社会科学、芸術などの教養を積むことを重視する。
それでも、東京大学への合格者数は半世紀以上も全国ベスト10をキープし続ける存在で、卒業生は2人の総理大臣、3人の芥川賞作家、2人の直木賞作家、多数の財界トップなどを輩出することでも知られる。
なぜ、麻布は超一流の人材を、送り出し続けられるのか──。
自身も麻布出身の平秀明校長にその理由や、「青年即未来」を実現する中高教育の真髄について聞いた。