この連載について
今、中国のIT系企業が世界を舞台に急成長している。孫正義が見出した起業家ジャック・マーが率いるアリババ、そして、13億人をキャッシュレス生活に導くテンセントは、時価総額で世界トップ10入りを果たした。ファーウエイ、レノボ、シャオミといった多数のユニークな中国IT系企業も勃興し、世界市場で存在感を強める。本連載では、特に注目すべき中国IT企業をピックアップし、その特徴を解き明かし、日本企業や日本人はどう向き合うべきかを考えてゆく。
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関連する企業
日本最大手の自動車メーカー、世界でもトップクラス。傘下に日野・ダイハツを有し、SUBARU・マツダ・スズキとも業務資本提携。HV技術をベースにPHV、FCV、EVを展開。北米を中心にレクサスの販売も。
業種
自動車
時価総額
62.1 兆円
業績
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Apple is among the largest companies in the world, with a broad portfolio of hardware and software products targeted at consumers and businesses.
時価総額
0.00 円
業績
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売上げ8兆円という規模も目を引きますが、何より注目すべきは118億ドルという研究開発費の大きさ。アップルやトヨタを突き放し、世界のトップグループに匹敵する金額です。前年比で10%増以上で増えていますから、アマゾンやアルファベット、インテル、マクロソフトといったIT企業を抜く可能性もあります。
「最強の未上場企業」とも言われる理由がよくわかります。技術面や最新の動向に関心のある方は、広報誌HuaWaveを読むと良いでしょう。ファーウェイだけでなく、ネットワーク技術やビジネスの先端動向が分かります。
http://www.huawei.com/jp/publications
関連書籍、報道、ファーウェイ社への取材・提供資料の内容と、かなりの情報量があり、相当取捨選択して書きました。既存の報道は、日本語も英語も、一部の専門情報誌を除いて、コンシューマー機や米国話しに偏りすぎだという印象を受けました。
連載「中国ITジャイアント」のバックナンバーはこちらから。
https://newspicks.com/user/9467
追記:上村昴平さんご指摘のパワーグリッド事業も注目です。ファーウェイ、良い意味で愚直なまでに通信事業を発展させ、応用した技術でパワーグリッドもやっています。これはアフリカでのCSR活動にも使われています。
最も重要なところは、未上場の強み発揮。
共産党的な人事管理。自己批判制度。シャドーキャビネット的制度。権限と金銭的報酬を分けている。出戻り制度。社員に給料が払えず、それを持ち株にした。
その他、初期の立上げの頃の、ここでは書けないような秘話も多い。
たしか、NECと近く、JVもある。
Hiシリコン。これが。スマホ向けのチップも作り。OLEDもやろうとしている。日本研究所に、有力な方も就任。
JDIの運命も握る。
進出の仕方として、先に先進国から攻める「先難後易」と、まずは途上国を攻めてその後に先進国に展開する「先易後難」という2つに分かれると言われ、後者の成功例として当時は通信機器中心のファーウェイがよく挙げられていました。
彼らは、まずはロシアを攻め、続いてインドと、通信インフラが未整備のエリアに入り込み、機器をおさめる戦略をとっており、その後も東南アジア、アフリカ、南米、中近東に進出して成功をおさめたのち、そこの原資をもって先進国を攻めていくという戦略でここまで大きくなってきた、というのが背景とされています
その後のスマホの爆発的成長はそれはそれですごいですが
コンシューマー向けの事業は好調ですが、この事業が一番不安定で足を引っ張る可能性が高い。Mate 9とP10では、メモリとストレージに複数の規格が存在し、仕様と異なる問題があった。規模が上位2社に近づく程、部品調達や品質管理に不安が生じてくる。
端末の完成度やデザインも急激に良くなってはいるが、AppleとSamsungと比べると、まだ見劣りする。Huawei P10はかなり保守的で、iPhoneのデザインから抜け出せていない。価格的な優位によって上位に迫っているが、それだけではXiaomiの様に限界が来る。
Huaweiのコンシューマー事業に足りないのは、横への広がり。スマートホームや音声AIスピーカー等、IoT分野に参入する企業が多いなか、Huaweiに目立った動きは見られない。通信規格など技術的に先行していても、自社のハードを活かすサービスが不足している。
敢えてそうしている様にも見えるが、保守的になりすぎている所に、Huaweiの不安要素かあるなと感じました。
グローバルのIT企業が今検討しているのは、Huaweiがその他のB2B事業を仕掛けてくることです。同社の技術力がよく注目されますが、B2Bのマーケティングや営業についての情報収集が必要でしょう。案件でぶつかった企業は、かなり苦戦しています。
B2Bで競争力がなければ、コンシューマ市場が中途半ぱな規模の日本に立地する企業は、かなり厳しい状況になります。
仕様を見ても高性能で、国内外で確実にシェアを伸ばしています。
ファーウェイをはじめとした中国電機メーカーは、研究開発で積極的かつ挑戦的取り組みがとても多い様に思えます。
いずれ中国のメーカーが、価格だけではなく性能においても世界を席巻する日は、そう遠くは無いかもしれません。
下記の事実、取組を示されると、爆発的な世界市場支配が想定されます。
事業戦略
・売上高8兆円の巨大企業
・売上高ベースでみると、スマホ等コンシューマー向け端末事業よりも、通信事業者向けネットワーク等のインフラの方が大きく、BtoBを主体
・スマホは売上高の3分の1。伸び率で見ると前年比で43.6%と急成長
・コアビジネスは通信事業者向け。通信事業者向けインフラに関する事業であり、総売上高のうち56%を占め、前年比23.6%増と順調な成長
・中国の割合は45.3%と半分以下であり、次いで、中東・アフリカが30.0%、アジア大洋州(日本含む)が12.9%、アメリカ大陸が8.5%
・鬼門の米国市場、長期戦で攻略
つまり世界の多くの一般の携帯電話ユーザーは、知らず知らずのうちに、ファーウェイのネットワーク機器を通じて、サービスを受けている
内部態勢
・アップルを凌ぐ世界上位の研究開発費。2016年は118億ドルを投じている。研究開発費ランキングで比較すると、ファーウェイはインテルに次ぐ規模、アップルやトヨタを突き放すほどの金額。
・人員面でも、全社員の約45%にあたる約8万人の社員が研究開発に携わっている。
・特許協力条約に基づいた特許取得件数が3898件と、第2位のクアルコムの2442件を大きく引き離している。
リーダーシップ
・任正非は、これだけの成長を遂げたにもかかわらず、社員に対しては常に気を引き締めるよう訴え続けている。
・「輪番CEO制度」で経営者を育成。取締役会で選出された3人が、6ヶ月間に限り、他の取締役よりも上位の権限を持つという仕組み
日本企業は、技術で勝てないとすると、研究開発の提携先や部品供給先に入り、デザインなどの感性部分で強みを見出すなど勝てる領域を見出すことが期待されます。