国富の7割を独占。中国経済を牛耳る「破天荒経営者」

2017/6/15
第4回ではIT分野だけでなく、中国のカリスマ経営者たちの横顔にせまる。中国の企業家たちを広く理解することで、IT起業家たちの個性や位置付けがより理解できるはずだ。

明治維新と高度成長

振り返れば、日本の昭和は、英雄的な伝説の創業者を生んだ時代だった。
松下幸之助、本田宗一郎、盛田昭夫、中内功……。平成の孫正義や柳井正とはまたタイプの違う、生き方そのものがドラマチックで破天荒なキャラクターがそろっており、高度経済成長まっただなかの熾烈な競争を勝ち抜いた。
いまの中国は「明治維新と高度成長が一気にやってきた」(高口康太『現代中国経営者列伝』)と言われるような、お祭り時代を迎えている。
そんななか、いまをときめく巨大IT企業の経営者を含め、立志伝中の個性が続々と登場しているのも、中国の「今」を象徴する現象だ。
中国の富豪といえば、ランキングで毎年抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り返しているのが、阿里巴巴(アリババ)グループの馬雲(ジャック・マー)と、不動産会社大手の大連万達(ワンダ)グループを経営する「爆買い大富豪」の王健林だ。