【落合陽一】ポストウェブの人間・経済・日本

2017/6/11
ポストウェブ、ポストソーシャル特集のSeason1で「ポストウェブの技術・社会・仕事」の記事が約3000Picksを記録した、落合陽一氏。今回はデジタルネイチャーという切り口から、「ポストウェブの人間・経済・日本」について展望する。

「デジタルネイチャー」とは何か

これからの世界を考える上でのキーワードは「デジタルネイチャー」だと僕は考えています。2025年、2030年に向けて、世界は「デジタルネイチャー」へ向かっていくはずです。
「デジタルネイチャー」とは何かと言うと、ユビキタスの後、ミックスドリアリティ(現実空間と仮想空間が融合する「複合現実」)を越えて、人、Bot、物質、バーチャルの区別がつかなくなる世界のことです。
その中で世界のあらゆるところに多様性が生まれる。あらゆるデータの表現系はグラデーションになっていき、人間の知性は近代的人間性から超克される、と考えています。
そのための自然観について僕は、研究者としてリサーチしながら起業家として製品の社会実装を目指しています。
この考え方のポイントは、「リアル/バーチャル」や「フィジカル/バーチャル」など二分法や二項対立で分けたがる世界を突破するために,人間という考え方も含めて、全てをミックスしてしまうということです。自然そのものも更新されうるということです。
つまり、あらゆるものは情報の表現形態として今までになかったようなスピードで相転移するというのが、僕が考えているビジョンです。この相転移が前世紀にイノベーションと呼ばれていたものの本質だと僕は考えています。
今後、まずは、Botと人間の区別がなくなる世界がおそらく到来します。