(Bloomberg) -- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、拡大させている海外融資の原資に充てるため、長期・安定資金として企業から外貨預金獲得に力を入れている。預金推進の司令塔となる「デポジット・コミッティ」を東京のほか世界4カ所に設置したのに加え、主要拠点に預金担当者約50人を配置。現3カ年中期経営計画で掲げた外貨預金の獲得目標より1年早く、今年3月末までに達成した。

MUFGの外貨預金(平残)は、2017年3月末に29兆円と前年同期比14%増加。18年3月末までの現中計目標の27兆5000億円を超える実績となった。デポジット・コミッティは営業部門や企画部門などの担当者らで構成し、12年のニューヨークに続き、ロンドン、シンガポール、香港と順次設置。各地で預金獲得状況や営業活動、推進上の課題などを話し合い、これらの情報を東京に集めて世界で共有している。

日本銀行のマイナス金利政策の下で国内融資からの収益が伸び悩む中、MUFGは比較的利ざやが厚い海外融資の拡大を進めている。一方、海外融資に必要な外貨は米金利上昇に伴い調達コストが上昇し、収益の圧迫要因となっている。MUFGは16年度に外貨建て社債を85億ドル(約9500億円)発行したが、こうした市場調達に加えて海外企業からの預金獲得で預入期間が長く、安定的な外貨調達を目指している。

デポジット・コミッティに参加する三菱東京UFJ銀行国際企画部の葛西洋一次長は、「外貨調達と融資拡大は銀行業務の両輪で、どちらも欠かせない重要な業務」と指摘。預金獲得では「細かな提案活動の成果が拡大に寄与した」と述べ、ある拠点で成功した預金獲得の好事例が別の拠点でも生かされるなど世界でグループ総合力が発揮できているという。

MUFGの連結貸出金残高は17年3月末で約109兆円。このうち海外貸出は43兆4200億円で、この半年間で4兆円以上増加した。MUFGにとって海外貸出は、国内法人貸出の44兆3000億円に匹敵する規模に拡大している。

クロスセルで取引拡大

世界の主要拠点に配置された計約50人の預金業務推進担当者は各地で顧客企業を訪問し、預金商品や資金運用を提案する。例えば、取引先の資金サイクルを分析し、顧客のビジネスに合わせて一定の流動性を置いておくほかは金融商品のセールス活動を展開。顧客ニーズを掘り起こして取引拡大につなげている。

MUFGは4月からグループの機能別再編を伴う「再創造イニシアチブ」でも外貨流動性獲得基盤の強化を掲げている。葛西次長は、今後も「現在のペースを維持して預金を獲得していきたい」と語った。その際、預金推進に加えて為替やデリバティブ、決済などのクロスセルでさらに取引拡大を図り、収益増強につなげていく方針を示した。

(第5段落を追加して、更新しました.)

記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 河元伸吾 skawamoto2@bloomberg.net, Tokyo Gareth Allan gallan11@bloomberg.net.

記事についてのエディターへの問い合わせ先: 中川寛之 hnakagawa11@bloomberg.net, 持田譲二、 平野和

©2017 Bloomberg L.P.